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タンザニアの主食「ウガリ」|世界のお菓子(食)を巡る旅#6

タンザニアのごはんを習う。

10月1日、仕事を終えたあと、身支度を済ませて空港に向かった。5年ぶり、2度目のタンザニアへ向かうためだ。前回の旅からまさかこんなにも早くこの国を訪れることになるなんて思っていなかったけど、旅人用語で言うなら「呼ばれた」んだと思う。

今回の旅は親友との旅で、タンザニア最大の都市であるダルエスサラームで待ち合わせをした。実は彼女、タンザニアに2年間住んでいたことがある。その当時、わたしがサファリを一緒にするために訪れたときが1度目だった。前回と違い、彼女が住んでいた地域を訪れ、いろんな人と再会することが旅の目的の一つだった。

そして、料理好きなわたしのために…ということで、タンザニア料理づくりを買い物から地元の人たちと一緒にさせてもらえることになった。買い物は近くの路上の市場でしたのだけれど、日本人というだけで目立ちすぎて、絡まれて絡まれて、それはもう買い物するだけで一苦労。

この話はさておき。タンザニアは主食として米を食べるが国だが、もう一つ「ウガリ」と言うものがある。これはタンザニア料理というか、アフリカ全体でよく主食とされているものだ。


とうもろこしの粉をお湯で溶き、火にかけながら水分を飛ばし、練っていく。ポイントは、ガスではなく炭火を使うことらしい。じっくり火が通る方が美味しくできるんだとか! シンプルだからこそつくり手の腕がかかっていて、水分の飛ばし方や練り方で味や食感が変わってくる。わたしもお菓子をつくるときにはこういう作業をするけれど、実はすごく力が入る作業で、これを日常的な食事として毎日やっているなんて、どれほどたくましいことか…。

おかずは、ムワンザの名物である魚「ティラピア」をトマトで煮込んだもの。これがこの地域の定番料理の一つだ。

魚は下処理をしてぶつ切りにし、ニンニクを入れて軽く煮る。その間に、ピーマン、人参を千切りに。玉ねぎ、トマトは皮をむいてざく切りにしていく。鍋に油を引き、野菜を入れて軽く炒め、トマトの水分が出たところで魚を投入し、塩で味付けをしていく。

右手を使ってウガリを適量手に取り、少し手でこねてからおかずをすくい、包むようにして食べるのがアフリカ流。想像していただきたいのだが、これがまぁめちゃくちゃ熱い。炊き立ての白いごはんを素手でおにぎりにするような熱さだ。そこに加えて、熱々のトマトスープで煮込まれた魚や野菜をつけて食べるのは慣れていないと至難の技。

肝心のお味はというと、ウガリ自体には、ほぼ味がない。

しかし、慣れてくるとハマってしまう不思議な食べ物で、アフリカの人はウガリが大好き。魚の煮込みも塩だけの味付けなのに、完璧な塩梅でとても美味しかった。

ちなみにタンザニアのお菓子だけれど、「Mandazi(マンダジ)」と呼ばれる揚げドーナツ、よく言えばハワイのマラサダのようなものが人気だそう。
ココナッツミルクやカルダモンを入れた生地がアフリカらしさを感じる。今回は食べる機会がなかったけれど、ぜひ次回は食べてみたいおやつ。

あまりお菓子を目にしなかったタンザニアでわたしが何度か食べたのもは「カシャータ」と呼ばれるもので、砂糖を煮詰めて、ピーナッッツやごまを固めたもの。1個5円から10円ほどで、みんなコーヒーやチャイと合わせて食べていた。

あとは「kitumbua(キトゥンブワ)」と呼ばれる米粉の揚げパンのようなもの。路上でたこ焼き器のような鉄板で手際よく焼かれており、ぷくっと膨らんだ丸い姿がなんとも愛おしい。少し油っこいけれど、ほのかに甘くて素朴な味わいが個人的には割と好き。

現地のものを現地の人たちと一緒に食べることで、ぐっと距離が縮まる。この旅のスタイルがわたし流。世界の食卓を知ることは、その国の文化を知ること。


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