9才の女の子が考えた天才的なことわざ集『自分ことわざじてん』が書籍化
Twitterにお母さんが投稿したところ、約5万リツイート&10万いいねを獲得した『自分ことわざじてん』。
9才の次女ちゃんが考えたオリジナルのことわざ「てつだいが こうかいに かわる」「こうきゅうな けしょうひん いってきずつ」などが話題となりました。
以降、1年半かけて100個以上のことわざが制作され書籍化、3月21日(木)に発売されます。
大人から書籍化希望の声が多数集まった傑作
2017年当時、8才(小学校3年生)だった次女ちゃんが考えたオリジナルことわざ。
「てつだいがこうかいにかわる」
【意味】一回手つだったらたくさんやらされる。
【例え】小さい子とあそんだらまい日あそばされた。
「こうきゅうなけしょうひんいってきずつ」
【意味】いくら高くても少しずつ使ったらいみがない
【例え】母が高級なけしょう品を一てきずつ使ってい るのを見てぼくは(いみがないな)と思った。
Twitterに投稿されるやいなや「素晴らしい発想力」「書籍化希望!」と話題に。多くの大人たちの心にクリティカルヒットしました。
夏休みの宿題がいやで、勝手に宿題の代わりとしてつくり始めた
この「自分ことわざじてん」、お母さんによると、夏休みの日記や作文の宿題がいやで「ことわざならいっぱい思いつくんだけどなー」と次女ちゃんが勝手に宿題の代わりとして書きはじめたものだそう。
当然、夏休みの宿題がそれで免れたわけではなかったのですが、出来上がったものを見せられたお母さんは、その出来栄えに驚愕。おもしろいし腹は立つし、でも「なんだか身につまされる」と思わずTwitterに投稿してしまったのだそうです。
1年半かけて、ついに書籍化
次女ちゃんに連絡を取った編集者によれば「才能に一目惚れ」したとのこと。お母さんは、本書の「はじめに」に、こう書き残しています。
はじめはこんな戯れ言を本にしていいのか、小3の娘にやり続ける根気はあるのか…、とネガティブ要素しか思い浮かばなかったのですが、「編集者さんの海より深い度量」「本人の意志」「私が頷きさえすればできる環境」という三位一体が揃ってしまい、出版が決まりました。
それから、次女ちゃんがまる1 年半をかけて100 個以上のことわざを考え、挿絵も自らの手で描き、完成したその一部がこちら。
「運動会は親がじゃま」
【意味】見てほしいが、いなくていい
【例え】運動会のことは記録に残してほしいが、いなくていい
…子どもの頃、確かにそう思ってた!
「0点にもう一枚」
【意味】悪いことをしたら言いにくい
【例え】0点のテスト一枚目は出しやすいけれど二枚目は出しにくい
…社会人になってもあります、そういうこと。
「母は実はオニババ」
【意味】人にはダサい真実がある
【例え】ノンスタイル井上が本当はいい人だった
…ノンスタイルの井上さんにとっては、ある意味営業妨害かもしれないですね。
「校長先生ぜっこうちょう」
【意味】いつもは静かだけれど、得意なことは張り切る
【例え】暗い校長先生が、なわとびのときだけ、張り切る
…いるいる!こういう人。
「美よういんのかえりみち」
【意味】行きは楽しみなのに帰りはがっかり
【例え】髪を切りに行くのは楽しみ、帰りはなんかがっかり
…わかりみが深い、とはまさにこのこと。
全てのことわざに、「本物の国語辞典」をつくっている先生の解説付き
書籍には、次女ちゃん自身が執筆したことわざに、意味と具体的な例、手描きのイラストが入るほか、なんと、本物の国語辞典、三省堂国語辞典をつくっている飯間浩明氏による本物の解説が掲載されます。
解説を担当した飯間浩明先生は、「それぞれの作品は、読んでいると、思わず微笑・苦笑し、なるほどと膝を打ちます」とコメント。何十年前の自身にとても似たところがあるから解説を引き受けたそう。
専門家による解説で、さくらこちゃんのことわざにもグッと深みが
さくらこちゃんによる飯間先生の似顔絵
(解説者プロフィール)
1967年生まれ。国語辞典編纂者。著書に『辞書を編む』(光文社新書)、『ことばハンター』(ポプラ社)などがある。国語辞典の編纂を続けるかたわら、NHK Eテレ「使える! 伝わるにほんご」講師を務めるなど、日本語・国語教育番組にも長くたずさわる。アニメ版『舟を編む』の監修もつとめる。
巻末の「しにかた占い」も秀逸
本の最後におまけとして掲載されているのは、こちらも同じく次女ちゃんちゃん発案の話題作。Twitterで30万人以上が笑い震えた「しにかた占い」です。
次女ちゃん曰く、「この本を読んでくれた人は、とくべつに何回引いてもいいよ」とのこと。
アルファベットを選ぶと、あなたの死に方が占えます。
毒キノコにキスしてしぬ/バンジージャンプのひもが長すぎてしぬ
あしが長すぎて絡まってしぬ/しなない
「しなない」ことのおそろしさすら分かっている9才。驚愕です。
次女ちゃんは本書の「あとがき」として、こんな感想を残しています。
「わたしは、本当のことや、もうそうのこと、あるあるなどのたくさんのことわざをかいてみました。ドッキリをしてつくったことわざや、ゆめにでてきたことわざなど、いろいろな方法でことわざをおもいついたのもとっても楽しくておもしろかったです。
つくっている途中に、文字をかくのがだんだんあきてきて、でもがんばったあとに大塚さん(編集者) とママとわたしで、いっぱいあそんで、あせをいっぱい流して、いっぱい笑ってたのしかったし、とってもいい思い出ができたのでよかったです。」
『自分ことわざじてん』は、ライツ社から3月21日(木)に発売です。税込1404円、全112ページ。