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2018年から振り返り。そして|平屋私庭日記#47

久しぶりの更新ですが、今回はこれまでのエディブルガーデンの振り返りと、ライツ社マガジンでの連載最終回のおしらせです。

あたらしい区切り

連載が始まったのは2018年9月。気がつけば2年ちょっとの期間が経ちました。
人は2年あれば生活環境も仕事の状況も変わるもので、この間に僕は結婚し、庭師として独立開業し、園園という屋号と夫という新しい役割・カタチを背負いはじめました。

庭師として独立開業して、ありがたいことにたくさんの方からご依頼をいただき、全力で走りまわる日々を過ごしています。一人で打合せからデザイン・資料作成・作庭・お手入れ・経理などをこなしていくのは思っていた以上に時間がかかるとこを実感しました。もちろん慣れていないからって理由も大きく、今思い返せば些細な事務処理にえらい時間をかけてしまう状態で(現場から戻ってからのデスクワークは睡魔との闘い……)嫌というほど時間の使い方を学び、考えさせられるものでした。

そんなこんなでこのコラム連載や私庭になかなか取りかかれない状況が続き、平屋私庭日記だけでなく園園として書きたいこともあったり、ライツ社さんがウェブのリニューアルをするタイミングもあり、いったん区切りを設けることになりました。

もちろんこれからも自宅ではエディブルガーデンを続けていくし、私用のnoteにて園園として思うこと考えていることに合わせて平屋私庭日記も続けていければと思います。

実験としてはじまったエディブルガーデン

平屋の庭では「食べられる・収穫できる植物」をテーマに庭づくりをおこなってきました。

自分の庭というのは実験場でもあるから、あえてセオリーを無視して植えることが面白かった。例えば日当たりや風通し、土壌、温度、成長速度などの条件が合っていないところに植えても、育たないとか枯れるとよく言われてたり文献にも書かれている。特にエディブル植物たちはそういった条件が細かい気がする。けれど実際にやってみないと分からない植物たちもたくさんありました。

平屋の庭は風通しが悪く中庭なので日当たりも限られている。そんなエディブル植物には良くない環境下でも意外と育ちがいいものも、予想通り枯れてしまうもの、成長速度は早いけど剪定でなんとかなると分かったり。(ワサビが意外と庭でもいけることには驚きました。)

やっぱり実際に植えて過ごしてみるとたくさんの経験を得れるものですね。
いつか栗の木を植えてみたいけれど、さすがにここでは断念しました……。

写真で振り返る今までの私庭

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以前住んでいた陽光園の平屋は大家さんから庭は何をしてももいいということだったので、作ってみたかったエディブルガーデンをやってみることに。(写真は入居見学の際のもの)

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約4畳くらいの限られたスペースに四季を通して様々な花が咲き収穫できる庭が作れました。この庭と過ごしたおかげでエディブル植物たちの日当たりや風通しなど、環境条件についてたくさんのことを学んだなぁ。実験的に植えた草たちはたくさん枯らしたけれど、その経験を今後の庭づくりに必ず活かしたいですね。

改めて作庭前後の写真を比べてみると後の方が広く感じる。空間の角を消したりレイヤーを重ねることで奥行きが生まれたんでしょうね。見返すと面白いです。

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レモンを収穫するために人工授粉や蝶の卵とり水やり施肥と一年を通して愛でていくので収穫の時は我が子の旅立ちのように思いましたね。

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ジューンベリーはとても優秀な木で花は綺麗だし実も毎年たくさん収穫できた。ただ鳥がここにジューンベリーがあることを覚えると鳥対僕の収穫競争がかなり激化していきました。僕が明日には収穫できるかなと思った直後に鳥たちが先取りしていくことも。。

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庭を眺めていて蝶が舞ってる姿をみかけると、果樹の葉に卵をつけている可能性があるので即座に回収してまわる日々……。手間はかかるけど、これはこれでいい思い出。

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お茶の木の新葉はホットプレートでお茶っぱにすることができる。これはけっこうオススメです!

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春の恒例行事化している人工授粉。どこまで効果があるか分からないけれど、この行為が楽しいのでついついやってしまう。

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写真のアルプス乙女りんごのほかにも、陽光園の平屋では本当にたくさんの収穫ができました。僕に料理などの知識があればもっと使いこなせるであろうハーブなどの植物たちはこれからの課題です。

庭としての美しさを保ちつつ、収穫や日当たり育成のことも考えたい。そんな庭の機能性と美について試行錯誤を繰り返して、理想とする庭のかたちが少しできたと思います。

いつか、レストランのエディブルガーデンや農園のデザインをしてみたいです。

最後に

エディブルガーデン。食べられる、収穫できる植物で構成する庭を平屋で作ってみようと思っていたころに、もともと友達だったライツ社さんから「何か庭師として書いてみない?」と連載のお話を持ってきてくれました。これも何かの縁だと思い平屋の庭づくりから庭とともに暮らす日常を綴っていくことになった。

お陰さまで自分の大切な2年間を記録に残すことができたし、庭を持つことの楽しさや大変さをしっかり体感することができた。育ててきた果実の収穫は本当に楽しかった。そして夏場の毎日の水やりは本当に大変だったな、。

この経験のおかげで今まで以上にお施主さんへ寄り添う庭づくりができるのではないかと思う。(散水栓の位置は最重要!)

それから嬉しいことに、この連載記事を「呼んでるよ!」とおっしゃってくれる方が思ってた以上にたくさんいらしたこと、連載記事をきっかけにいくつもの庭づくりのお声がけへと繋がったこと。本当に感謝です。ありがとうございます。

この連載を読んでくださった皆さんと、庭や植物たちとの距離が少しでも近くなり暮らしに取り入れる楽しさを体感するきっかけになっていれば幸いです。

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ライツ社の皆さんへ
当時まだ造園会社のスタッフだった僕に連載の声をかけてくれたこと、本当に感謝しております。
おかげさまで貴重で大切な僕と庭や植物たちとの時間を過ごせました。改めて感謝申し上げます!

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定点写真#48。僕のエディブルガーデンは瓢箪山の平屋へと移り、これからも庭の側で暮らし新しい発見や四季の移ろいを楽しんでいければと思います。

園園. 庭師 中山智憲

Instagram @enen_nakayama
note @green_s_nakayama
mail info@enen-landscape.com

〈以下ライツ社から〉

園園 中山くん、2年以上も記事を更新してくれてありがとう。そして、これまでライツ社マガジンで「平屋私庭日記」を読んでくれたみなさんもありがとうございます。中山くんの活動はこれからも下のアカウントで更新予定なので、いつでものぞいてみてください。庭づくりに終わりはなさそうです!


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2016年創業。海とタコと本のまち「兵庫県明石市」の出版社です。writes.right.light「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず本をつくっています。 https://wrl.co.jp