雨の日に、心を整えるために読みたい『広告コピー』
春が終わり、雨の季節がやってきました。シトシトと降る雨の音は、自分の部屋の中にいるとき、あるいは喫茶店でコーヒーを飲みながら窓の外を眺めているとき、静かに心を整えるちょどいいBGMになりますね。今日は、そんな時間のお供になるような、ざらざらした心がまあるくなっていく言葉をご紹介します。『毎日読みたい365日の広告コピー』(ライツ社)の中から、お届けします。
『人は、人の傘になれる。
自らいのちを絶つ。その多くは、「うつ」など心の病によるもの。心の病の早期発見・治療が、いのちを守ることにつながります。眠れない日が続いている、いつになく元気がない、ずっと疲れているみたい。あの人の「いつもと違う」は、心の雨を知らせているのかもしれない。
大切な人の「心の雨」に気づいてください。心を守り、自殺を防ぐ。』
愛媛県/コピーライター:石本香緒理( 電通名鉄コミュニケーションズ)
石本さんはこう言っています。「自殺という問題を伝えるにあたっては、ふだんこの問題に関わっていない方にも、身近なこととして捉えてもらわなくてはなりません。複雑で重い問題だからこそ、文章は複雑にならないように、と考えました。」6月11日頃は「入梅( にゅうばい)」。この頃から梅雨に入ります。
『結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。』
ゼクシィ
ローマ神話に登場するユノ( Juno )は6月( June )を守る女神。「ジューンブライド」の由来は、結婚の象徴でもあるユノだという説や、6月がヨーロッパでもっとも雨が少なく、晴れの日が多い時期であったことからという説もあります。
『ひとりでいると、ふたりのときより、あなたを想う。』
P-mate/コピーライター:笹島真祐子
ガールズファッションブランドのコピーです。5月2日は「婚活の日」。1985 年の35 〜39 歳の未婚率は男性14.2%、女性6.6%。2015 年は男性35.0%、女性23.9%( 2015 年 総務省「国税調査」)。いまの時代は、「あなたを想う時間」と同じくらい「自分を想う時間」も大切にされているのかも?
『東京がせかせかしているんじゃない。自分がせかせかしていたんだ、と気づきました。』
いばらきさとやま生活 / コピーライター:田島洋之( パラドックス)
7月17日は「東京の日」。1868 年のこの日、「江戸府」に代わって「東京府」が設置されました。「東京」の2 文字はよく歌のタイトルとして使われますね。矢沢永吉、桑田佳祐、長渕剛、浜田省吾、M r. C h i l d r e n、福山雅治などそうそうたる顔ぶれが東京を歌っています。
『ふだん、どんなに急いで歩いているかは、きものを着た日にふとわかる。食べ方だとか、座ったときの姿勢とか、小さな仕草のひとつひとつが、少し丁寧になっていく。そう、これはきっと、生き方が見えてしまう服。いくら若くて美しくても、しっくり馴染むとは限らないし、逆に、どうしてもかなわない80歳のおばあさまもいる。それが、なぜかうれしい。きものがもっと似合うようになるために、もっときちんと生きようと思った。
着ることは、生きること。』
長沼静きもの学院/コピーライター:こやま淳子
「生き方」と聞くとなんだか大きなことに思いがちですが、食べ方や座る姿勢など、小さな仕草の積み重 ねが生き方なんですね。5月29日は「呉服の日」。呉( 中国)から伝来した織物を指す「呉服」。現在 では着物や和服と同じ意味で使われることが多いです。
『さ、洗い流そ。
絶対に勝つ。そう言い聞かせて、血の滲むような努力を重ねてきた。負ける気がまったくしない。自信にあふれかえっていた。それでも敗れるときはある。敗北とは無情なものだ。でも、本当の勝負はそこから始まる。この敗北と向き合い、受け止め、糧にして、次の勝負へ向かっていく。さ、洗い流そ。人生は長い。いつだって挽回できる。「あの時、負けてよかった」。そう思える、その日のために。』
牛乳石鹼共進社/コピーライター:矢野貴寿(電通関西支社)
「絶対に勝つ」と信じていても、負けるときはあります。でも、それも長い目で見れば1つの超えるべきハードルなのかも。目の前のことに一喜一憂することなく、早く洗い流して新たな一歩を踏み出すこと、気持ちを切り替えることが重要かもしれません。
『「父が照れる」を、私がもらう。
無愛想でぶっきらぼう。いつだって言葉足らずか、一言多い。思いを伝えるのが下手な父だから、ぶつかることもあったけど。それでも父なりに私のことを考えてくれてたんだなと、今ならば思います。ありがとう。本当に。面と向かってはとても言えないから、気持ちを贈ります。どんな顔、するだろう。6月の、その日。誰よりしあわせなのは、父さん、真っ赤に照れるあなたを見る私です。』
東武百貨店/コピーライター:斉藤賢司( ホンシツ)
6月の第3日曜日は「父の日」です。アメリカでは黄色いハンカチなどを贈り、バラを飾る習慣があります。もし、普段あまり腹を割ってお父さんと話す機会がないのなら、この日くらいは感謝の気持ちを伝えたいですね。
「虹が欲しければ、雨は我慢しなきゃね」とは、アメリカのシンガーソングライター/ドリー・パートンの言葉です。また新しい晴れた空に出会えるように、静かに過ごす時間を有意義に使いたいものですね。
365日、その日その季節にぴったりの「広告コピー」を並べてみたら、大切なことを思い出せる素敵な名言集ができました。