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中米バハマに飛んで、「ジュエリーに使われる貝」を食べてみた|世界のお菓子(食)を巡る旅#15

バハマの名物といえば「コンク貝」である。ホラ貝に似た巻貝で別名「ピンク」貝としても知られている。
日本では、カメオの素材やジュエリーとしての認識はある程度あると思うけれど、「食べたことがある」という人はきっと、稀だろう。

それもそのはず。

この貝はカリブ海全域に生息しているけれど、養殖は難しく、新鮮なものはカリブ海、またはその周辺でしか食べることができないらしい。
わたしも昔、世界一周中にメキシコの宿でみんなで調理して食べたことがあった。それ以来、5年ぶりに口にしたのだ。

バハマに行くことを決めて、食いしん坊なわたしの「食べたいものリスト」の中にあったコンク貝。
観光客向けのレストランで食べると、そこそこの値段だ。(レストランはサービス料が15~18%かかる、それに加えて消費税もかかるところが多い。と言っても1000~2000円なので大した額ではないのだけれど)

有名なホテルが集まる「Paradise Island」からの帰り道、首都・ナッソーに戻るために橋を渡っていたら、橋の下のローカルレストランと市場が見えた。
そこは、観光客など1人もいない路上の屋台で、コンク貝をさばいているおじさんもいた。

一見、無口でぶっきらぼうそうなおじさんが常連客らしき女性の接客を終えたところで話しかけてみる。
3つで10ドルのところを「1つ5ドルで買うから!」とお願いして、まだ生きている新鮮な貝を丁寧にさばいてもらった。

まずはそのままで。
程よい弾力ある食感と、絶妙な塩味は言うまでもなく美味。残りはレモンとオレンジでマリネしてくれたので、宿に帰ってから名物「コンクサラダ」を自己流でつくって食べた。

現地の特産物を自分で調理して食べる。これこそ食いしん坊なわたしの旅の醍醐味の1つだ。

ちなみにコンクサラダの他にはフリッターも有名で、味や食感はさつま揚げに似た感じでビールのつまみにはとてもいい。
コンクフリッターにはあんまり合わないが、バハマのカクテルである「バハマママ」や「バハマパパ」も、ぜひ楽しんでほしい。

最後に。

バハマでは、コンク貝は経済的な意味でも重要なものであり、地元の人にとって愛着、そして誇りあるものである。
そんなコンク貝が近年乱獲により数が減少していて、一説によると「10年後には消滅している」とも言われているのだ。

文化的な意味でも、多くの人が生業としているという意味でも、目先の利益だけを考えずコンク貝とうまく共存していってほしいと願うばかり。
地元の人にも、そしてこれから先バハマを訪れる旅人にも自然のご馳走を味わってもらえるように。


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