東欧チェコのはちみつケーキ|世界のお菓子(食)を巡る旅#10
「チェコに行ってくる。」と言うと半分くらいの人から、「それどこ?」と返ってきた。
今日はそんなチェコのお菓子のお話し。
チェコには「メドヴニーク」というケーキがある。「メドヴ」とは「はちみつ」のことで、別名「honey cake」とも呼ばれる。
実はこのケーキ、古くからあるものではなく元はロシアから伝わったもので、約30年ほどの歴史しかないのだけれど、年を重ねるごとに定着していって、もう立派なチェコのケーキとなりつつあるのだ。
お店によっても少しずつ変わるけれど、基本はサワークリームやコンデンスミルク、キャラメルソースやくるみなどを混ぜ込んだクリームを、はちみつを混ぜたスポンジ生地と交互に重ねて、仕上げはくるみを混ぜたクラム(スポンジの切れ端を乾燥させて粉末状にしたもの)を周りにたっぷりつけて完成だ。
実は昔、世界一周をしたときに、チェコの「世界一美しい街」と呼ばれるチェスキークロムロフにあるジンジャークッキー屋さんで一度買って食べたことがあるのだけれど、正直そのときは口に合わず一度食べて終わった。
そして今回は「美味しい」とされるお店を調べて訪れ、買ってみたら、素朴でシンプルながら甘すぎず、なんだかほっこりする美味しいケーキでわたしのイメージは変わったのだ。日本に帰ったら、作ってみようと思う。
もちろん、以前ご紹介したハンガリーのクルトシュのチェコ版「トルデルニーク」も食べたけど、やっぱりわたしはこういう素朴でほっこりするお菓子が好きらしい。
ちなみに、チェコの料理の中でもいちばん好きなのは「グラーシュ」と呼ばれる煮込み料理。
これもチェコのみならず、東欧ではよく目にするもの。日本でいうシチューと同じで、この寒い季節にはたまらない一品である。濃厚で、野菜やお肉の旨味がしみ出たほどよい塩加減のスープに、やわらかーいお肉がゴロっと入っていて、これにチェコビールがまた合う。美味しい。
チェコ料理は肉料理ばかりだけれど、味付けは確実に日本人好み。クリスマスマーケットのシーズンは至るところでクリスマスマーケットがやっていて屋台からもチェコらしさを感じられる。ぜひみなさんにも行ってもらいたい、おすすめの国だ。