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陽光園の平屋、引越します。|平屋私庭日記#44

6月末日をもって中山家は陽光園(大阪府八尾市)の平屋から引っ越しました。今回は陽光園の平屋の総括とお庭の大引越しについてのお話。

庭の引越し

約3年間暮らした陽光園の平屋を引っ越すことになった。理由は庭師として独立して手狭になってしまったことが一番大きい。今まで所有していなかった道具たちが借りた車庫から溢れ玄関も道具置き場と化した。

そしてデスクワークをする環境があまりにも誘惑に満ち溢れた場所だった。デスクの横には雑誌や漫画の本棚、反対側にはパントリーエリアのお菓子たち。元々はちょっと本を読むくらいだった場所をワークデスクにしたため、誘惑の森の中で作業することになってしまった。

道具も取り出しにくいし在庫を出すと置く場所がない。デスクワークも効率が悪いし、このままでは私生活にも影響を及ぼす可能性があった。
これでは独立スタートダッシュ真っ只中の僕にとって良くないと判断し物件を探し引っ越すこととなった。

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引っ越すということは、この庭ももちろん引っ越さなければならない。というわけで中山家の大引越しが始まった!

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植物の移植

庭に植えた植物を移動するというのはリスクがたくさんある。移動できるように根っこを切り、輸送で太陽や風に当たり水気を奪われ、引越し先でさっきまでとは全く違う環境で生きて行かなくてはならない。
だから移植は生きるか死ぬか、まさに植物にとって命がけの大引越しになる。

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ジューンベリの鉢を移植ように削る。根っこの先端にある細根が水を吸い上げるところだから、少しでも切断せずに残してあげることを心がけながら根鉢を削って行く。

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根鉢を移動できるサイズに作れば緑化テープという麻布で鉢をおおって緑化ヒモで根崩れしないように縛って行きます。

今回は自分の植物だしこの後すぐに移動して植えるから簡易的に巻いてます。卸屋さんで購入する時に見る根鉢の巻き方は芸術作品と言えるくらい美しい根鉢になります!

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この日はものすごく暑い日だったのでとにかく時間勝負。せっせと移動できるように根鉢を作って行きます。

この庭は植える際に全体を耕し土壌改良しているので、地面は柔らかく結構簡単に掘り起こすことができた。

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庭移植のビフォーアフター。植物があったほうが広く感じますね。空間にこれでもかって詰め込みバランスを整えるのは特技だと思ってます。

賃貸物件なので次の方がすぐに植物を植えられるように足元を整え直して移植完了です。作業を終えて縁側で一休みしているとたくさんの思い出がよみがえる。小さなスペースだけれど、庭師として庭家主として色んな経験を積ませてもらった庭、なんかやっぱり寂しくなりますね。

移植について

庭の業界では夏場に移植するのはリスクが高いから避けるべきで、落葉している冬が良い。ってよく聞くけれど、これまでの僕の経験ではそう言う訳でもないと思っている。

葉がついている夏場に移植を行えば、植物の良し悪しの反応がすぐに分かるので早急な対応ができる。単純に葉がしなりだすので移植中に葉を落としてあげたり、木のサイズを縮小してあげる対策がすぐに取れる。
それに移植後も様子を見ながら活力剤や葉の量を調整し、秋伸びする時にしっかり芽が動いてくれれば一安心できる。だから移植は時期相応の対応をとってあげれば大丈夫かなと思ってます。

最後に

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食べられる・収穫できる植物で構成し作るエディブルガーデン、陽光園の平屋は約3年でお別れです。思い返して見ると長いようであっという間でした。できればまだまだこの庭で過ごしたかった。休日の昼下がりに、外から聞こえてくる街の賑やかさとは対照的に落ち着いた空気感のこの庭で過ごす時間は贅沢だった。

そしてエディブルという枠で庭を構成するというのがどれだけ難しいことか思い知らされた。普段の庭づくりと同じ構成距離感で、しかも建物に囲われ日照時間に制限のある中庭、光や広さが欲しいエディブルたちにとってはストレスな環境だったと思う。それに高 中 低木 下草で構成し庭としての美しさを求めるには順応してくれる植物を探し育ててみなければならなかった。
理想のエディブルガーデンを作るにはまだまだ実験と経験、年数がかかる。
けれどこのテーマの庭づくりはなかなか深く、追求するには面白いテーマだ。

この平屋のおかげで庭を持つお施主さんに以前より寄り添えるようになれたと思う。毎日の水やり草抜き、様子伺い、。なかなか手間のかかるものだけれど、その分ここで過ごす時間は他にはないものになる。これは味わったものにしか分からない。

陽光園の平屋の庭は終わりますが、これからまた新しい瓢箪山の平屋での庭づくりが始まります。これからも平屋私庭日記をよろしくお願いいたします!

最後の最後に

この陽光園の平屋をご紹介いただいた大阪R不動産さん、庭は何をしてもいいと言う寛大な大家さん。皆さんのおかげで僕と妻にとって忘れられない記憶となる賃貸生活ができました。この場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました!

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定点写真#44。移植が終わり次に暮らす方のために足元の整地を終えました。ありがたいことにこの庭はライツ社マガジンの記録に残る。あーいい庭だったなぁ。

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そして!新しく瓢箪山(大阪府東大阪市)の平屋がスタートします!!まずは移植完了!
これからも平屋私庭日記をご贔屓に!

園園. 庭師 中山智憲

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2016年9月7日に創業しました。まだまだヒヨッコです
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2016年創業。海とタコと本のまち「兵庫県明石市」の出版社です。writes.right.light「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず本をつくっています。 https://linktr.ee/writes_p

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  • 61本

ライツ社の周りにいる、普段は作家でもなんでもない(でもとてもおもしろいことをしている)みなさんの記事を連載。 2018年12月現在の連載タイトル ・「世界のお菓子(食)を巡る旅」菅野つばさ ・「平屋私庭日記」大阪の若手庭師 中山智憲

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