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それぞれの春|平屋私庭日記#15

待ってくれない新芽たち。

待ちに待った芽吹きの季節がやって来た。この時がやってくるまで冬の庭に出向いて寒さにめげず水をあげ続ける日々を送った。毎日変化のない植物たちを眺める行為は陸上競技時代の冬季練習に似ている。中学から大学までの10年間は競技シーズンが始まるまでひたすら走り込みやウエイトトレーニングに明け暮れた。来る日も来る日も走り込むけれど結果が比例してくれるとは限らないし筋力増量に失敗してるかもしれない。そんな不安と希望が行ったり来たりする日々は冬の庭とリンクする。「鍛錬」って言葉が似合う極寒での水撒きはまさに陸上の冬季トレーニング。

それだけひたむきに待ち続けたのに、いざ芽吹き始めるとあっという間に変化していく。僕が仕事でバタバタしてて庭をあまり覗けないうちに、同じ植物なのかと思うくらい葉となり花となってどんどん色づいていってしまう。サクランボなんてちょっと前まで白一色だったのに気がつけば葉っぱがめちゃめちゃ芽吹いている。
僕は一つ目の葉が芽吹き始めるワシャワシャな状態がたまらなく好きでそこを見逃したくない。むしろ2番手3番手は別に見なくていい、ただただ芽吹きの始まりをじっくり鑑賞に浸りたいだけなのにそんな思いを一切無視するかのように植物たちは変化していく。ちょっとは僕が日々水やりに励んだことをわかって欲しい。というよりこれだけ冬季トレーニング並みの鍛錬に付き合って来た僕を仲間外れにしないで欲しいなぁ。

それぞれの春

朝起きて庭を覗き込むと昨日と比べてまた一段と変わったなぁ!と思うくらいどんどん変化していく。ほんと春の芽吹きは一瞬。そんな平屋の植物たちの春をできるだけご紹介したい。

サクランボ

そうそう前回記載したサクランボをよーく見てみると受粉している!これは間違いなく子房が膨らんで来てるし、あちこちでこの姿を確認できたから大量にサクランボがなってくれそう!いやー、ちゃんと受粉してくれるかそわそわしたけど良かった良かった。

こんなに早く結果が現れてくるとは思わなかったからサプライズ感があって嬉しい。今年は鳥対策しないといけないかもなぁ

クロモジ

3月8日のクロモジ。

最近のクロモジ。2週間くらいでもうしっかり芽吹いている。クロモジは高級爪楊枝として使われる。今年は和菓子買って来てこのコの枝で爪楊枝を作っていただくつもり

ブルーベリー

2月24日のブルーベリー。まだまだ芽と枝が同化してて冬の枝って感じ

葉は開いて花芽は最終形態まで変化して開花の準備までできてる。あとは開花するだけ。小さな花が可愛いんですよね!

アジサイ・アナベル

平屋私庭日記#8で紹介したアナベル。あの時切った先のイメージ写真

イメージ通り葉芽が出て来てくれてます。今年も花が咲いたら部屋に飾りたいなぁ

後ろにいてるたまっころ植物はラベンダー。早くモリモリに成長して欲しい

枯れ疑惑のシルバーティーツリーとラズベリー

今年の冬に植えたシルバーティーツリーが多分枯れている。。葉はまっ茶々だし水気がない。これはアウトの匂いがする。卸屋さん曰く根付くまではめちゃめちゃ水がいるとか、んーん、水やりには自信があったんやけどなぁ。

そして昨年の春に植えたラズベリー。去年は収穫もできてウキウキだったのに秋に突然葉を落として棒状態に。落葉したかなって思ってたけどこのコも水気がなくポキポキ折れる。。原因は分からないけどアウトな匂いだ。。

なんで枯れたんだろう?って考えても正直わからない。原因というか可能性はいくつかあるけど、植物は確証が取れないんですよね。んーん難しい。
まぁ全部が根付くとは限らないのが庭の植物たちです。庭で植物を育てるなら割り切ることも大切だと思ってます。けれどもしもの可能性があるので少し置いて様子を見てみることに。。

ちょっと気持ちを切り替えて。

マルベリー

この冬に追加したマルベリー。めちゃめちゃ甘い果実がなってくれる。けれどその姿は真っ黒で不気味。あんな見た目からあんな甘い果実になるなんてって不思議なコです。初年度から実がなってくれると嬉しいなぁ

ツワブキ

冬に花茎を鳥さんに持ってかれたツワブキも無事に新芽を出してます。この新芽は地域によっては食べるんだとか。石川や大阪ではあまり聞かないです。

スダチ

常緑樹はまだまだ動きがないなって思ってたけれど、よーく見てみると葉の付根につぶつぶの芽が!めちゃめちゃ小さいけれどこれが新芽なんだろうな。

新入りのワサビ

最後は新入りのワサビ。ワサビって気温や水加減など条件が細かくて難しいって聞くれど、大阪の中庭で植えるとどうなるんでしょうね。楽しみなコが仲間入りです。

正直、食べられて収穫できる植物で構成するってのは制限がかかりすぎててなかなか難しい。高木から低木までは選択肢があるんだけれど、下草となると思ってる容姿のコが揃わないんですよね。だからこのワサビが仲間入りしてくれたのは嬉しい!

最後に

先日は兵庫県篠山の6[rock]荒西さんが新しくオープンされるお店の庭のお手入れに行ってきた。大阪ではもう春がそこまで来てると感じるくらい暖かくなってきてるけど、篠山はまだまだ寒く久しぶりにネックウォーマーとダウンベストを出して着込んだ。同じ関西でもここまで気候が違うんだなって改めて感じる一日だった。
色んな庭に入らせて頂いてると、地域や環境で植物たちの動きが違ってくる。海近とか山合いとかはだいたいイメージできるけれど、中庭はそういう地域性とは別の動きがあるように感じる。中庭はとにかく春の訪れが早く、冬入りが遅い。
建物に囲われてるだけで暖かさが変わるんやろか?植物にも人みたいに体感温度があって風を受ける受けないで感じ取る気温が違ってくるのかな?植物たちは何を感じて芽吹き始めるんだろう?

この庭を見てるだけでたくさんの疑問が現れる。植物には明確な答えが存在しないと思う。そういう疑問は頭の中で回り続ける。自転車で帰ってる時なんてよくそのループに入る。
今は明確な答えがないって思ってるけど、ずっとずっと考えてたら何かしらのモノが出てくるのかもしれないなぁ。60歳になったときまだ考えてるんだろうか?考えてそうだなぁ。植物や庭の疑問、長ーく考え込むことになりそうだ。

定点写真#15。サクランボやブルーベリーたちが芽吹いて、もう春の庭に近づいてきた。ほんと芽吹きは一瞬だなぁ。

GREEN SPACE 若手庭師 中山 智憲

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2016年創業。海とタコと本のまち「兵庫県明石市」の出版社です。writes.right.light「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず本をつくっています。 https://linktr.ee/writes_p

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ライツ社の周りにいる、普段は作家でもなんでもない(でもとてもおもしろいことをしている)みなさんの記事を連載。 2018年12月現在の連載タイトル ・「世界のお菓子(食)を巡る旅」菅野つばさ ・「平屋私庭日記」大阪の若手庭師 中山智憲
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