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「あなたの渾身のフェアを教えてください」日本一の書店員を決めるチャンピオンシップが誕生!エントリー受付中!

11月1日(金)より、全国の書店員がフェアの腕で日本一を競い合う「Book Fair Championship」(以下、BFC)のエントリー受付が始まりました。

ライツ社もこの企画に実行委員として参加しています。最初に発起人の北田博充さん(梅田 蔦屋書店店長、書肆汽水域)からご相談いただいたとき、企画のおもしろさはもちろんのこと、「書店で働く人々を元気にしたい」というBFCの思いに共感しました。そしていま、その活動を一緒に盛り上げたいという気持ちだけでお手伝いさせていただいてます。

現場でフェアを仕掛ける書店員のみなさま、この記事を読んで、おもしろそうだと思っていただけましたら、ぜひBFCにエントリーをお願いします。

BFCとは

BFCは「賞」ではありません。賞は一度もらったら満足して終わり。決して書店員の企画力向上の底上げにはつながりません。

通常の賞とは異なり、チャンピオンベルトには防衛戦という概念が存在します。一度獲ったら防衛しなければなりませんし、もし陥落したとしても何度でも再チャレンジできます。

全国の書店員が切磋琢磨し、読者を楽しませたり、本のおもしろさを伝えたり、創意工夫することを「継続」できる仕組みをつくりたいと考えています。

また、ユニークな「フェア」を発信したり王座自体が盛り上がることにより、来店するお客様を増やします。蓄積されたフェア情報は他書店の書店員や一般のお客様にも自由に閲覧してもらえるようにします。

「ビブリオセラピー」読者の心を癒す処方本(文庫)を70点セレクトし、オリジナルデザインの薬袋に封入して販売したフェア。それぞれの商品に「どのような症状の方にどのように服用してもらうのが良いのか」等、効能書きを記したPOPを付けてフェア展開。
「滝口悠生の本棚」 小説家・滝口悠生さんの本棚を再現したフェア。普段小説を読まない方にも、本との突然の出会いがあればと考え、フェア台の見た目のインパクトにもこだわって作成。

「書店員にもっとスポットライトを」

「BFC」に込めた想い BFC実行委員長 北田博充

書店員として働く中で、お客様に興味を持ってもらうにはどうしたらいいか、どうすれば書店に足を運んでいただけるか、そんなことを考えさまざまな工夫を凝らしてきました。

その中でも、書店の一等地の平台や棚で展開される「フェア」は、書店における“企画展”のようなもの。本屋の魅力のひとつです。お客様の興味関心を引き、本を購入してもらうために創意工夫を凝らし、独自の切り口でテーマ設定、選書、陳列を行います。それは、ネット書店では味わえない、企画・編集されたコーナーならではのものです。そして、そうした工夫が届いたと実感できたとき、書店員としての幸福や楽しさを感じることができます。

「売れる」と「売る」は違うと私は考えます。「売れる」のは、本そのものの魅力によるものです。一方で、「売る」のは、書店員の主体的仕事によるものです。「本を置けば売れる」という時代は終わりを迎え、今はいかに工夫を凝らし、読者の心に響くような提案をするかが求められています。私は意思を持って「売る」ことをしていきたいですし、きっと多くの書店員の皆様もそう思っているはずです。それが端的に表れているのが「フェア」ではないでしょうか。

近年、書店の数が年々減っていること、業界の売上高が下がっていること、読書離れが進んでいることなどがよくメディアで取り上げられています。一方で、「書店を元気にしよう」という前向きな発信を見かけることもあります。

書店を元気にするためには、書店で働いている人たちを元気にしなければならないはずなのに、そのことに誰も取り組んでいないような気がして、ずっともやもやしていました。

こんなに奥深くてクリエイティブな書店員という仕事に、もっとスポットライトを当てたいと思うとともに、書店へ足を運んでくださるお客様を一人でも多く増やせないかと考え、「BFC」を創設することを決めました。

「BFC」の王座は、書店で実施されているフェアを広く世に発信し、フェアを目がけて書店へ来店してくれるお客様を増やすために、書店員がフェアの腕を競い合うチャンピオンシップです。

「M-1グランプリ」の創設によって漫才の人口が増え、漫才のクオリティが進化したのと同様に、書店員が競い合うチャンピオンベルトを創設することで、書店の魅力・面白さが多様化し、そのことが業界内外に広く伝わり、「書店に足を運んでみよう」「私も書店で働いてみたい」と思う人を、一人でも多く増やしていければと考えています。

初代チャンピオンにはベルトと賞金30万円

初代チャンピオンには賞金30万円とチャンピオンベルトを贈呈します。賞金300,000円(税込)です。

また、チャンピオンベルトはレプリカではなく、プロボクシング世界団体から公認された本物の技術を持つ熟練の職人に制作を依頼し、ベルト中央部の裏側には、アメリカの書店人、ロバート・D・ヘイルの言葉を刻みました。

本の真の実質は、思想にある。書店が売るものは、情報であり、霊感であり、人とのかかわりあいである。本を売ることは、永久に伝わる一連の波紋を起こすことである。書店は、書棚に魔法を満たすことも、嵐を吹かせることもできる。書店人は、人々を日々の抑圧から解放し、楽しみ、希望、知識を人々に贈るのである。書店人が特別の人間でなくてなんであろう。
ロバート・D・ヘイル

贈呈式のスペシャルプレゼンターは新日本プロレスの棚橋選手!

©新日本プロレス

新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至です。
本から得られる栄養素は、他の何物とも違いますその素晴らしさを伝えて続ける皆さんに感謝します。
一冊の本との出会いが、人生を左右することさえあるかもしれません。
ということで今回、BFC初代王様チャンピオンベルト贈呈式に参加させていただきます。よろしくお願いします。
これからも、皆さんの活躍に期待しています!
新日本プロレスリング株式会社
代表取締役社長 兼 選手
棚橋 弘至(たなはし ひろし)

審判員はこの3人がつとめます

書店の棚にどんな本がどんな順に並んでいたか、それで誰かの人生や生活がたしかに変わることがあります。
本はいつでも読者にとって未知のもので、だから町の書店は、その町で暮らすひとの可能性そのものです。
本をよく読むひとも、読まないひとも、私たちの人生や生活は目に見えないところで、ひそかに、たしかに、書店の棚をつくる書店員の手とつながっている。
その知られざる職能に注目を! そして資金援助を!
滝口悠生

書店員さんに育てられ、書店員さんに助けてもらい、書店員さんに応援していただいて、今の自分がいると言っても過言ではない三宅です。作家の賞はたくさんあれど、書店員の賞はあんまりないと聞いて「たしかに」と思い、(おこがましいことですが)審査員参加を決めました。
チャンピオンを決める戦いとのことですが、なによりも全国の書店員さんが、うれしく楽しく参加できるような企画になることを願ってます!!
三宅香帆

たとえ平積みひとつでも「誰かに届け!」と念じて売り場に出した本が狙い通り売れると、嬉しいものですよね。フェアならなおさら。選書した棚の中から3冊なんて買ってくれようものなら、飛び上がるほど喜んじゃいます。
そんな思いのこもったフェア棚をぜひシェアしてください。小さくても、大して売れなかったとしても、いいんです。たとえ自店の片隅で小さく始めて終わったフェアでも、そのアイディアのきらめきは、このBFCを通して全国の書店員(だけじゃなく本に関わる幅広い人々)をこれからワクワクさせるはずです。ぜひ見せてください。
久禮亮太

著名人からのコメント

撮影/長濱治

競う日、本が常になく輝くだろう。
そしてそれが人の目を奪う。
本を見直す、いい機会ではないか。
思わぬ効果も、出てくるかもしれない。
根底にある、本に対する愛情。
それがすべてで、私は愛おしいと感じる。
北方謙三

この企画内容をはじめて聞いた時、とても面白そうだなと思いました。自分も本を書いて出しているので、自分の本が少しでも目立つ場所に置かれてほしいと思っていますが、それをチャンピオンシップ形式でやるという発想があったんだと。みんなで手を取り合うのも大事だけれど、競い合うことはモチベーションにもなるし、負けたくないと思ってやるのも大事だと思います。情熱をもって好きな本をどんどん推していく為の、すごくいい企画だと思います。

自分にとって書店はいつも変わらずそこにあるもの。いま自分が元気なんだ、落ち込んでいるんだ、と敏感に感じられる場所です。

書店員さんと一緒に新刊発売時のフェアに携わった時、普段自分が知らないはずの売り場の向こう側が垣間見えて、書店はなじみある場所であると同時に、未知の場所でもあるなと思いました。この企画はきっと続いていくので、ぜひ1回目からエントリーして頂きたいです!
尾崎世界観

募集要項

書店員の参加条件
・日本国内の書店で勤務する書店員もしくは書店主であること。
・勤務歴、雇用形態(社員、アルバイト)は問わず、書店で働いていること。​
・勤務する書店の許可を得ていること。

フェアの応募条件
・申請者本人が直近6ヶ月以内に企画、実施したフェア(※)。
・フェアのテーマ、ジャンル、展開場所(平台・棚)、展開規模(展開スペースの大小)は自由。​
・エントリーは1シーズンにつき1フェアまで。
 ※ただし、初代チャンピオン決定戦のみ、直近3年間に企画、実施したフェアとする。​

エントリー方法
公式サイトの「エントリーはこちら」ボタンから必要事項を記入し、2024年12月22日までにエントリーしてください。​

選考の流れ
1. 一次選考
初代チャンピオン決定戦: BFC実行委員および、クラウドファンディング支援者にて「ベスト10」を選考する。​

2. 初代チャンピオン決定戦・防衛戦​
初代チャンピオン決定戦: BFC審判員3名が「ベスト10」の中からチャンピオンを選考する。

3. 評価基準
3名の「BFC審判員」が、以下の基準に基づいて評価します。​​
①発想・アイデア: アイデアがユニークな企画​
②提案性: フェアの意図・狙い・思いが顧客にうまく伝わっている企画​
③芸術性: フェア展開の見た目が美しい企画​

スケジュール
・募集期間: 2024年11月1日(金)~12月22日(日)​
・2024年12月22日(日):第1回エントリー〆切(23時59分)
・2025年1月中旬:ベスト10発表​
・2025年3月上旬:初代チャンピオン発表および贈呈式
その後は年に2回、チャンピオンベルトの防衛戦を開催​

エントリーは12月22日(日)​まで

ライツ社も実行委員なので、現在エントリーされているフェアを拝見できるのですが、「こんな発想があったのか!」と思うフェアがあったり、「この書店に行ってみたい!」と思うフェアがあったり、まだまだ知らないフェアがたくさんあるんだと驚かされています。ぜひあなたのフェアも世に知らしめてください。エントリーお待ちしております。

<BFC実行委員会>
・実行委員長: 北田博充(梅田 蔦屋書店 店長)
・実行委員: 野上由人(NICリテールズ 執行役員)、堀内理(ジュンク堂書店 三宮店 店長)、大塚啓志郎(ライツ社 代表取締役社長 編集長)、高野翔(ライツ社 代表取締役社長 営業責任者)、有佐和也(ライツ社)、小西康裕(正和堂書店)、岡田基生(クロスメディア・パブリッシング)、濱中はるか(クロスメディア・パブリッシング)、佐藤裕美(パイ インターナショナル)、鈴木雄大(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、下八川 薫(CCC)、小山 嵩之(CCC)、多田 大介(CCC)。
・主催:BFC実行委員会
・共催:日本紙パルプ商事、BOOK MEETS NEXT
・協力:ブックセラーズ&カンパニー

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ライツ社
出版業界を新しくしたい。もっと良くしたい。読者と、書店と、友達のような出版社でありたい。「本ができること」を増やしたい。いただいたサポートは、そのためにできることに活用させていただきます。