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今日は縁側を作ります|平屋私庭日記#2

ことし平屋に引っ越して初めての秋を迎えた。
平屋の冬はとにかく寒いし夏はめちゃくちゃ暑い!平屋のくらしはそんな甘いものではない、という洗礼を受け、やっと過ごしやすい季節が来てくれました。

僕が庭でまずしたこと。それは更地の庭に「縁側」を作ること。理想や植えたい植物はたくさんあるけれど、普段の仕事とは違って自分自身の日常生活とちょっと背伸びした理想を重ねた結果が「縁側」なのです。

内でも外でもない場所=縁側

縁側をつくれば廊下から外への一歩がスムーズになるはず。僕なりに内と外、部屋と庭の距離感が縮まるのは縁側という曖昧な場所ではないかなと思っていて、そこで実際につくってみることにした。

まずは採寸。この四角い基礎ブロックをきちんと据えることが一番重要。

材木をカットしてインパクトドライバーでとめる。ハードウッドを使ってるからなかなか硬い。

基礎ブロックに上部分を乗せて完成!窓や壁に一発で収めると気持ちいい!

完成写真を拡大。職人としてみてほしいポイントは赤矢印のところ!建物のラインと合わせてビシッとね!

以下解説
・縁側の上部分は働いているGREENSPACE事務所で作成。倉庫にあった、現場で余った木材を取っておいたものを使ってコスト削減!
・もともとあった沓脱石(※1)を掘り起こし、縁側を設置
 (ポイントは端の終い方。壁と縁側の間を見てください。ビシっとラインを合わせたいのが職人の常!

※1沓脱石(クツヌギ石)
玄関や縁側からの上がり口などの、履物を脱ぐ所。石などで一段高く作ってある。この石が庭と建物のつなぎ役を任されていてかなり重要な存在!

・縁側から庭に降りやすいように沓脱石は再利用
 (1人でこの石を持つのはなかなか重かった。道具があれば簡単なんだけど、自分のバカ力ありきの作業)
・同じく飛び石(※2)も掘り起こして台にする
 (なにかを飾れるように。盆栽、灯りとか)

※2飛び石
日本庭園などで、伝い歩くために少しずつ離して据えた表面の平らな石。
飛び石同士の距離感はとても重要!

・足もとには川砂利を敷いて雨の日の土の跳ね返りを防止
 (これで雑草も生えにくくなるし、窓も汚れにくくなる。)

ここでもう少し書かせてほしい!

上写真はもともとの状態なんだけど、この配置関係について物申したい!
写真右下にある飛び石の位置がめちゃくちゃきになる。中央の沓脱石から次の一歩を踏み込む役目のはずなのに遠すぎる。!(身長188cmの僕でも踏み込みにくい)
そして2歩目3歩目がない。どういう作為があったんだろうか?
それに沓脱石も窓の中心に設置して左右どちらからも出られるように据えたんだろうけれど、逆に踏み込みにくい。庭屋としては色んなところを突っ込みたくなるつくりです。


なんで縁側をつくったのか-庭師の頭の中

「庭を持つってまずは何をするのか?」いつも仕事でたくさん庭をつくってお手入れしているのに、そこがやたら引っかかる。
皆さんは庭を所有したとしたら何かしたいこと・つくりたいモノはありますか?ポイントは更地の庭ってところです。真っ白なキャンバスと一緒で、なんでもできてしまう。。
自分の庭を持ってみると今まで考えたことのない思考が頭の中で動きだすから面白い!まずやってみたのは理想と現実を整理すること。

理想
・真夏の夕暮れに水撒きしながらアイスくわえてボーとしたい
・庭木になった果実を収穫してジャムをつくりたい
・飛んできた鳥を眺めたい
・七輪で秋刀魚焼いてみたい

現実
・「食べること・寝ること・着ること」朝7時半には家を出て、20時か21時に帰宅。
・ご飯や洗濯など家事をこなす。
・夜ランニングか映画・読書・ストレッチとかをして就寝。
・休みは日曜日。

振り返ってみると日常生活ってけっこう単純で、しないといけないことが山盛り。上の中から不自由しているコトってなんだろうって考えてみる。
そうすると「洗濯を干すために廊下から庭の物干し竿への一歩が欲しい!」「縁側が必要だ!」という結論に至った。
自分の中でもけっこう予想外、これまでは早く果樹を植えたいなぁ七輪使ってBBQしてみたいなぁという理想ばかり追いかけていたのかもしれない。

ちなみに僕の理想の庭を紹介したいと思います。


ニューヨークのハイライン(2013年撮影)ニューヨークに2回しか訪れたことはないけれど、その滞在中に6回は行きました。廃線にグラスを中心とした植栽でこんなにカッコいい庭になるなんて!

パリのベルサイユ宮殿(2015年撮影)広大な庭の中でたくさんの人が好きな場所を見つけて腰をおろして寛いでいた。腰を下ろさせる場所を作るって単純で難題だと思う。

僕の理想はカッコイイと思う空間で、腰をおろして寛ぎたくなる場所であること。そして春夏秋冬それぞれを楽しめることですね。というわけで縁側を作ることが理想の庭の第一歩にもなると気づいたのでした。
縁側をつくっただけで庭に出て過ごし始めるようになった。休日は縁側に出てコーヒーを飲んだり本を読んだり、人の動線というのは単純で面白いですね。

そうそう、更地の庭を眺めるようになって気になり出したことがある。まぁ次回の作庭記事のときにでも。

定点写真#2 縁側からの眺め。ケルヒャーでブロック塀も洗ったからキレイサッパリ!
理想と現実、この二つが近づけるように頑張りまーす!

GREENSPACE 若手庭師 中山智憲

GREEN SPACE HP
insta @greenspace_nakayama

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ライツ社

2016年創業。海とタコと本のまち「兵庫県明石市」の出版社です。writes.right.light「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず本をつくっています。 https://linktr.ee/writes_p

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