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ポルトガルの世界一美味しい海老「スカーレットシュリンプ」|世界のお菓子(食)を巡る旅#20

6月末、一人でポルトガルを訪れた。
数年前に旅仲間が「ポルトガルの白ワインと海鮮が美味しいから」とおすすめしてくれてから、ずっと頭の片隅にあった国。

今回訪れたのは、ポルト。それから、リスボンを拠点に傘祭りで有名なアゲダや「パジャマシティ」と呼ばれパジャマ柄の建物が可愛いコスタ・ノヴァにも立ち寄った。

結論から言うと、今まで周った52の国々の中で海鮮がいっちばん美味しかった。特に衝撃を受けたのは、リスボンの有名な海鮮レストラン「Ramio」で食べたスカーレットシュリンプ。

スカーレットシュリンプは、スペインやポルトガルではよく見かける海老で、イベリア半島の南で水揚げされる。日本にはおそらく輸出されていない。
その証拠に「スカーレットシュリンプ」とウェブで検索すると、よく家庭でペットとして飼われているあの小さな海老の情報ばかりだった。(もし日本のどこかのレストランで提供されているのをご存知の方がいたら、ぜひ教えてもらいたい!)

海老自体の味がとても濃いので、塩茹でするだけで申し分ないほど美味しいと思うのだけれど、ここ「Ramio」では、おそらくボイルしたあとにバターで軽くソテーして提供していて、より濃厚な味わいが楽しめる。
頭が大きい分、海老の味噌がたっぷり。旨味が凝縮していて、思わず「ウフフ」と笑ってしまうくらい美味しかった。

お通し的に出てくるパンをこの海老のエキスが染み出たバターソースにつけて食べるのも最高だ。
手も口周りもちょっと大変なことになるけれど、この店でそんなことを気にする人はいない。というか気にしていられない。美味しい! 写真は食べる前にとって、あとは思いっきりポルトガルの海鮮を楽しむべし。


ほかにも、日本でいう甘エビの塩茹でと生牡蠣を注文したけれど、これもやっぱり絶品だった。

もちろん、ポルトガルにきたら「パステル・デ・ナタ(エッグタルト)」も忘れてはいけない。


というより、どこのベーカリーやカフェにも置いてあるので目にしない方が難しい。はじめは「美味しいお店ランキング」でもつくろうかな……なんて思っていたけれど、そんなのすら必要ない。だって、どれも美味しいから。

元パティシエのわたしから見ても、どこのお店も平均のクオリティーが高い。ハズレがない。4個目を食べたあたりで(すでにけっこう食べてる……)ランキング付けはやめた。

最後に。たまたまポルトに着いた初日が、なんと1年に一度の大きなお祭りだった。

宿になぜかピコピコハンマーが売られていて「おもしろい宿だな〜」と思っていたのだけれど、街にも路上で売られている。
流行っているのかな〜なんて思いながら散策していると、なぜかピコピコハンマーを持って歩く人が暗くなるにつれてどんどん増えていき、そこでやっとわたしはお祭りであることに気づいたのだ。

それは、「聖ジョアン祭」というお祭りだった。
600年の歴史があり、昔はピコピコハンマーの代わりにニンニクを持って人の頭を叩きながら街を練り歩いたそう。

なんでニンニクがピコピコハンマーに代わるのかは全然理解できないけれど、お祭りは21時くらいから、さらに盛り上がり明け方まで続いた。

小さい子どもから大人、おじいちゃんおばあちゃん、職業、学歴、性別関係なく、「見知らぬ人の頭をただ叩き合う」という新鮮なお祭りだったけれど、みんなとってもハッピーな雰囲気。
一人旅だったわたしも、このお祭りのおかげでいろんな人とコミュニケーションがとれて嬉しかった。


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ライツ社
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