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「ひとの弱さ」を愛する方法を知りたかった

「今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く」をはじめ、読む人の心にすーっと染み込んでくるエッセイを書く島田彩さんと、ライツ社から新刊『マイノリティデザイン 弱さを生かせる社会をつくろう』を出版する澤田智洋さんの対談イベントが、3月3日に開催されます。

以下、企画担当大塚による執筆です

なぜ、お二人の対談を企画したのか

島田彩さんのエッセイを読みながらいつも感じていたのは、登場人物への圧倒的にやさしいまなざしでした。

アルコール依存症のような状態になってしまったお父さんにヌードを撮ってもらった話も、今まで自分で服を買ったことのなかった青年がユニクロで働き出した話も。タイムループした神楽坂の人たちも。キャバ嬢だったご自身も。

島田さんのエッセイに出てくる方々には、それぞれに「問題」や「できなかったこと」があります。それはある意味、その人が抱える「弱さ」なのかもしれません。でも、島田さんはその弱さにいつも寄り添い、希望を見つけ、チャーミングな言葉を選び、エッセイにされているように思います。

同じく、福祉の世界で活躍するコピーライターである澤田智洋さんも、新著で、視覚障害を持って生まれた息子さんにたいして、「いつもは隠しているような『できないこと』も堂々と1枚のカードとして出せる社会になるといいな。」という言葉を記されていました。

そして、ハンドソープボール、イモムシラグビー、ベビーバスケ……。「目の見えない息子と公園に行っても、できることが何もなかった」。そんな絶望から澤田さんが発明した、老・若・男・女・健・障だれもが楽しめる「ゆるスポーツ」というアイデアは、ユーモアの固まりでした。


だれかの抱える弱みやマイノリティ性というものは、時に目を逸らしたくなるものでもあります。他人だけではなく、もちろん自分の弱さも。

でも、島田さん、澤田さんのお二人に共通するのは、そんな弱さに寄り添い、愛することが得意だということ。島田さんはその愛をエッセイという形に(前職では就業支援という形に)、澤田さんはマイノリティデザインという形に変えて、世の中に投げかけているように思います。

「ほら、こんなに愛しい世界がこの先にあるよ」って。

そこで、今回のイベントでは、お二人が人や自分が抱える弱さをどんなふうに捉えているのか、そして、どんなふうにしてポジティブな形に変えているのかをお話しいただければと思っています。

「ひとの化けの皮が剥がれた部分を見たいんです」

去年の夏頃、大阪で島田彩さんとお茶をしたその帰り際、彼女はこう言っていました。

「きっとわたしは、ひとの化けの皮が剥がれた部分を見たいんです」

びっくりするような言葉でしたが、それはきっと、「ひとって弱さを抱えているからこそ愛しいんです」という言葉と、同意義だったのではないかと思います。

澤田さんは、新著の「はじめに」にこんな言葉を残しています。

あなたが持つマイノリティ性=「苦手」や「できないこと」や「障害」や「コンプレックス」は、克服しなければならないものではなく、生かせるものだ。だれかの弱さは、だれかの強さを引き出す力だから。そう伝えたくて、僕はこの本を書きました。

対談当日が本当に楽しみです。ご興味のある方はぜひお申し込みください。


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