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石灯籠の基本モデル|平屋私庭日記#27

古庭園に行くとよく見かける石灯籠。あの灯籠には実は「〇〇型」「▲▲型」という基本モデルがあるんです。今回は灯籠の基本や古い石灯籠と今の石灯籠を合わせてご紹介できればと思います。

春日大社にある「西の屋型」「柚木型」の本歌

先日、奈良にある春日大社へ石灯籠を見に知人たちと行ってきた。35度をこえる猛暑の中で、建築と庭、灯籠を見に行くという中々マニアックな会だったなぁ。
春日大社といえば「鹿と灯籠」というくらい、両方ともたくさん目にする。広大な敷地には石灯籠で約1800基、吊灯籠で約1000基あるそうです。

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鹿も灯籠に負けないくらいいてそう。とにかく多い!そして角が生え始めたくらいの子鹿がめちゃかわいい。

灯籠には○○型って呼ばれるモデルがあって、そのモデルとなる本もとのことを“本歌”(ほんか)と呼ぶらしい。その本歌と呼ばれるモデルは各地に点在してて、この春日大社には「西の屋型」と「柚木型」の2基をよく目にする。
僕が住んでる大阪 八尾の近くだと藤井寺市 道明寺に「道明寺型灯籠」がある。

数年前までは他の1800基と同様に敷地内のどこかに配置されていて、本歌を見に来た人にとって探し出すのは一苦労だったらしいです。灯籠を見る目が肥えてないとなかなか見つけられなかったんじゃないかなぁ。今は宝物館の入口に配置されているのでとても分かりやすい。

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左が西の屋型石灯籠、右が柚木型石灯籠。宝物館入り口

名前の由来は配置されている場所だったり地名だったりするみたいです。「柚木型」の場合は柚の木の下にあったらしい。

石灯籠の基本

石灯籠で一番古く現存するもので奈良時代のものらしいです。約1300年前のもの、そんなに古いものがまだ1本立ちできてることを考えると施工速度は違うかもしれませんが作り上げる精度は今も昔もそんなに変わらないのかもしれませんね。
それから石灯籠は各部位で分解できるようになっているので分かりやすく番号と名前を。

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①宝玉、②傘、③火袋、④中台、⑤竿、⑥基礎、⑦泥台

何冊かの文献を読んでみると、灯籠そもそもの存在理由は社寺の照明だったらしいです。今のように街灯が無い時代なので火を灯す場所が必要だったと。その灯りは③火袋という部位に置かれる。その火袋を雨から守るために②傘が、よく見えるように⑤竿で高くし、転倒しないように⑥基礎⑦泥台が出来たとのことでした。そこに装飾(①宝玉)や模様 形が出てきたということらしいです。
部位の存在意味がわかってくると形の理由もだんだん見えてきますね。

ちなみに写真の灯籠も春日大社にあって、火袋のデザインが「春日型」と呼ばれる本歌になっているそうです。

現代の灯籠

現代にも素晴らしい灯籠を彫る石匠の方がいてて、グリーンスペースでは京都亀岡にある石匠 斉田石材店さんのものを使わせて頂いています。

ラフォーレ原宿 源氏山テラスの石灯籠

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「西の屋型」石灯籠と切子型水鉢。

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同じく左、石清水八幡宮にある「八幡型」石燈籠。右、大阪の道明寺にある「道明寺型」灯籠。

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五代目伝統工芸士 斉田さんの作品は近くで見たキメ細かさ、離れてみた美しい佇まいやバランス、直線曲線美は観ていてうっとりしてしまいます。

本歌を見てこの作品を見ると本歌の素晴らしさも斉田石材店さんの素晴らしさもよく伝わってきます。実際に見るというのは本当に大切なことですね。

最後に

石灯籠には〇〇型という基本モデルとなる本歌がある。もちろんそれを掘った1300年前の石匠がいて、脈々と受け継がれてきた現代の石匠の方々がいらっしゃる。

春日大社で「西の屋形」の本歌を観て、数日後に現代の石匠さんが彫る「西の屋形」を見るというものすごくいいタイミングで見比べることができた。
そして、僕の灯籠を見る目を肥えさせていただける古今の石匠さんたちに感謝です。

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定点写真#27。まだまだ暑い日が続くけど植物たちが秋伸びをし始めた。この時期にちょっとだけ枝葉を伸ばす行為が今の僕には季節が変わる知らせになってるなぁ。秋が来るのかぁ

GREEN SPACE 若手庭師 中山 智憲

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2016年創業。海とタコと本のまち「兵庫県明石市」の出版社です。writes.right.light「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず本をつくっています。 https://linktr.ee/writes_p

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ライツ社の周りにいる、普段は作家でもなんでもない(でもとてもおもしろいことをしている)みなさんの記事を連載。 2018年12月現在の連載タイトル ・「世界のお菓子(食)を巡る旅」菅野つばさ ・「平屋私庭日記」大阪の若手庭師 中山智憲
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