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自然から学ぶこと|平屋私庭日記#21

先日、和歌山県九度山にある丹生川へday campとアマゴ釣りに行ってきた。自然の中にいると川石をよく見てしまう。石は庭で昔から使われてきたモノ、それもあってか何度も釘付けになる景色に出くわした。今回はそんな庭師の目線のお話を

day camp+アマゴ釣り

僕が働くグリーンスペースには渓流釣り好きの中澤くんがいてます。彼は週末になると朝5時起きで渓流へ向かいウエイダーという長靴が腰あたりまで伸びた防水ウェアを着て川の中に浸かりながら釣りをしているらしい。僕は休日朝5時に起きるなんて確実にできないので、day campにおまけで釣りという名目で連れて行ってもらった。

1枚目の写真は魚たちに気づかれないよう身を潜める中澤くん。2枚目はこの後大きな岩を釣る僕。

僕は浜育ちなので海での投げ釣りは経験あるけれど、周りに木々や障害物があってコンパクトに投げなければならない渓流釣りは初めて。なかなか思ったところに投げれるようになるまで時間がかかったなぁ

釣れたアマゴは下処理して串焼きに。鮮度がいいからめちゃ美味しかった!

僕も1匹釣ることができたし、下処理から塩漬け串刺しまで様々なことを教えてもらって満足なday campだったなぁ。

自然から学ぶこと、川の石

さて、day campでずっと山の中にいてると目に止まる景色やモノがたくさんある。その視線が止まる先には石や植物たちの美しさや力強さ、または不安定な美しさがある。その中でも庭で昔から使われてきた石の表情や据わり方には何度も釘付けになった。

川の中には安定感がある据わり方をした石がたくさんある。写真中央の石なんて抜群の安定感。そして手前の小さな滝や奥にある苔の傾斜など周りとの兼ね合いも良くて見とれてしまいます。

石に安定感があると、それを見てる僕も自然と落ち着くし心の安定が生まれる。石の安定感っての人の心と不思議なリンクをしてると思ってます。

川の石たちは上流から水に押されて転がってきたと思われる。ということは転がっているうちに重心が低く安定感のあるポジションでおさまったのではないだろうか?

庭で石を据える時も同じように重心の低さや安定感を考える。庭石とこの川石の収まりはリンクするところがあるなって思いました。

しかし、周りを見渡すと川石の全てがそういった安定感のある据わり方をしているかというと、そうでもないみたい。

見るからにゴロゴロと上流から転がってきたと思われる石たち。写真中央のデカイ石なんて転がってるうちに小さな石に引っかかって、めちゃくちゃ不安定な状態で止まったんじゃないかな。

安定感のある石もあれば不安定な据わり方をした石もたくさんある。

このデカイ石は不安定だけど美しさが伝わってくる。不安定の美しさ、何が美しいと感じるのだろう?

自然の中にある安定と不安定

ここまで説明して、石は向きや座り方によって全然ちがう姿や受け取り方をするものだなって改めて思った。

不安定な据わり方の石は、今にも動き出しそうなところだったり、足元が浮いた影、安定感には出せない力強さが伝わってくる。そしてそこに僕は美しさを感じるのかもしれないなぁ。

不安定な石は、毎日みる自宅の庭に据えるとしんどく感じるかもしれないけれど、商業施設など気分が高まる空間なら美しい不安定な表現も受け入れられるかもしれない。

石の据わり方の何が安定で不安定なのかを理解してることが大切なんだなって自然の中から学びました。またまだ考えていかないといけないテーマですけどね。

滝の石組。自然にできた作為のないものでこんなに美しい石組が出来上がるとは。自然がつくるものは面白いなぁ

最後に

自然から学ぶもの。自然の中にある石一つからたくさんのことを考えさせられるし学ばされる。

今回見た景色をそのまま庭にトレースするのもいいかもしれないけれど、見た石の座り方をそのまま庭石に落とし込むと明からさまというか距離感が近すぎて面白くないのかもしれない。
でも僕が美しく感じた自然の中にあるバランスや据わり方、距離感は身体の中に落とし込むことができる。そうやって積み重ねて肥やし続けた目が、庭を作っていくときに役立つのかもしれないなぁ。

day campの様子を。目の前の川で釣りして、食べて、また釣りして、学びと楽しさがある一日でした。

定点写真#21。アナベルが咲き誇って綺麗に庭を飾ってくれる。少しだけ切って部屋に飾ろう。

GREEN SPACE 若手庭師 中山 智憲

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創業の夜は雷雨でした
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2016年創業。海とタコと本のまち「兵庫県明石市」の出版社です。writes.right.light「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず本をつくっています。 https://linktr.ee/writes_p

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