だれしも遠い昔にやった覚えのあるだろう、小さい頃の誕生日のお話
ライツ社で、初めての絵本が出版されます。
名前は『おたんじょうび ふ〜』
描いてくれたのは、ライツ社と同じ明石在住の画家/絵本作家たなかしんさんです。
こんな言葉から始まる、 みんなが大好きなあの瞬間を何度でも楽しめる最高のプレゼント絵本ができました。
そもそも、なんで誕生日にはケーキを食べるのか。そしてケーキの上にろうそくを立てて、火を吹き消すのか。
海外のある地域では、「誕生日ケーキのろうそくを一息にふき消すと願いが叶う」とされています。これには諸説ありますが、ひとつは、ケーキにろうそくを立てる文化が古代ギリシアから始まったというもの。月に見立てた丸いケーキ、その上に立つろうそくのけむりが天の神様に届くことで願いが叶うそうです。
そんな素敵なお話をもとに、たなかしんさんがみんなの誕生日を祝福してくれる、かわいくて、やさしくて、たのしい物語をつくってくれました。せーの「ふ〜」。だれしも遠い昔にやった覚えのあるだろう、小さい頃の誕生日のお話。
いぬさんの誕生日、ねこさんの誕生日、うさぎさんの誕生日、ねずみさんの誕生日、そして「きみ」への誕生日と続くこの絵本。自分の子どもや友達の家族、知り合いの保育士さんに読んでもらうと、こんな感想が返ってきました。
絵本を出すことが夢でした。
ライツ社を立ち上げて以降、ずっと絵本を出したかったけれど、勇気が出ませんでした。それは、なんの知識もない自分たちが、小さな子どもたちにとって、とても影響力の強い絵本をつくることへの怖さでした。
だから思い切って2年前に、絵本・児童書の編集者を募集しました。すると、児童書や保育書(保育士さんや幼稚園の先生が読む本)をずっとつくってきた方が、わざわざ東京から明石に来てくれることになりました。それから2年、ついにできたのがこの本です。
この本のサンプルができて、子どもたちに試し読みしたときの笑顔が忘れられません。何度も何度も絵本の中のケーキに「ふ〜」して笑ってくれました。絵本を読んだあとは、子どもたちの夢や願いごとを聞くこともできました。(動画もつくったのでよかったらどうぞ)
なんだろう。ほかの本とは全然ちがううれしさが、そこにはありました。
小さいころ、親にたくさんの絵本を読んでもらいました。その絵本を、自分が親になったいまも子どもに読んでいます。きっと日本中にそんな家庭が、そんな絵本がたくさんあるのかなと思います。ライツ社の絵本も、その仲間入りができればうれしいです。
絵本を出すことが夢でした。明石に来てくれた編集と、たなかしんさんのおかげで1つ、夢が叶いました。そして、その結果生まれたこの本が、またちがうだれかの夢を育むきっかけになればうれしい。そんなことを思っています。
ライツ社の営業が言っていました。
この本をつくった編集が言っていました。
絵本をつくるって、楽しいけれど、だから思ったよりずっと大変。でも、100年残る物語をつくるために、これからライツ社は絵本・児童書をつくり続けていきたいと思います。それが、わたしたちが子どものころから思っていた出版社の姿だからです。
最後に、たなかしんさんからのメッセージです。
おたんじょうび、おめでとう。つぎの「ふ〜」はきみのばんだよ。