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『僕たちはもう帰りたい』…あの行き場のない気持ちの「取扱説明書」

「利益出せ」「納期を守れ」「早よ帰れ」。いやムリもう帰りたい… と言いたくなるこの感情、働き方改革の渦中にいる大人なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

ライツ社の新刊『僕たちはもう帰りたい』は、Twitterフォロワー20万人突破の漫画家さわぐちけいすけが描く、 あの行き場のない気持ちの「取扱説明書」です。

・なぜ無意味な残業に付き合わされる?
・「板挟み」状態をどうすればいい?
・上司の無茶振りにどうやって対処する?
・なぜうちの会社は効率が悪いんだ?
・妻でも母でも社員でもない私の時間が欲しい
・何を最優先にすればいいんだろう?
・自分の居場所は本当にここなのだろうか?

「もう帰りたい」と願う理由も年齢も性別も立場も全く異なる…そんな人々のお話を収録しています。以下が、本書の「はじめに」です。

なぜ『僕たちはもう帰りたい』という作品は生まれたのか

著者さわぐちけいすけさんが脚光を浴びたのは2017 年のこと。 デビュー作『妻は他人』はKADOKAWAさんより出版されましたが、実は、タッチの差で「オファースピード」に負けたのがわたしたちライツ社でした。

そこからどのように『僕たちはもう帰りたい』という作品は生まれたのか。

2017年当時は、政府から「働き方改革」という言葉が発表された時期でもありました。 
この本の帯にある「利益出せ、納期を守れ、早よ帰れ」という川柳が表している通り、 渦中にいるサラリーマンは「帰りたくても帰れない」というギャップに苦しみ、その中であるTwitter アカウントが脚光を浴びました。 それが「全日本もう帰りたい協会」でした。

「行く前からすでに帰りたい」
 「週5 日の労働の疲れが週2 日の休みで取れるわけないだろう」

フォロワー数はなんと53万人。こんなにもたくさんの人が共感し、同時に働き方に悩んでいる。 「帰りたい」というあの気持ちを具現化し、本にすることができたなら、 働き手の心を少しでも軽くすることができるかもしれない。
そこで、さわぐちさんに執筆を依頼したのです。

ふざけたタイトルに込めた思い

彼の特徴は、サラサラとした画力はもちろん「妻は他人」と言い切れるほどの客観的な目線」です。 

時に冷たさすら感じるほどの目線で描かれた夫婦のハウツーがたくさんの人の共感を得ているのであれば「働き方」すら独自の視点で切り取られたすごい作品が生まれるかもしれない。
小さな出版社の提案にもかかわらず、さわぐちさんは二つ返事で引き受けてくれました。 

さらにはこの作品の質を高めるため 「働き方改革の旗手」と言われている青野さんが社長を務めるサイボウズ所属のライター明石さんにも制作に加わっていただきました。 


サイボウズの元には、日々さまざまな職種、立場、年齢の働き手のリアルすぎる悩みが届きます。 その莫大な情報を集約し、1 年以上かけて、そのエピソード1 つひとつを丁寧に描き切ったのが本作です。

完成にあたり、「全日本もう帰りたい協会」の中の人からも、コメントをいただきました。

「多くの人が早く帰りたいと思ってもなかなか帰路に付けない現代ですが、社会全体が忙しすぎる中でも、ほんの少し他者を思いやる気持ちであったり、個人の意見をもっと強く尊重する時代の流れが来てくれれば。」

さわぐちさんがこの本の最後の一コマに書き残した、 「もう帰りたい」というネガティブな気持ちを ポジティブなものに変える「渾身のワンフレーズ」を多くの人に届けたい。 

一見、ふざけたタイトルではありますが、この本が形だけの働き方改革に疑問符を投げかける一因になるよう、心から願っています。

全国の書店、ネット書店にて発売開始です。よろしくお願いいたします。


さわぐちけいすけ『僕たちはもう帰りたい』出版記念トークライブ&サイン会

新刊の発売を記念し、梅田蔦屋書店さまにて漫画家「さわぐちけいすけ」さんにお話いただきます。編集者と制作秘話も交えながら、「仕事と自分の最適な距離の取り方」を漫画家の視点でお話いただきます。

会期: 2019年03月23日(土)
定員: 80名
時間: 14:00~16:00(開場13:30)
ゲスト: さわぐちけいすけさん
場所: 梅田 蔦屋書店4thラウンジ 主催 梅田 蔦屋書店
参加費: 1,080円(税込)
申し込み方法: 梅田 蔦屋書店オンラインショッピングまたは店頭にてお申し込みください。
※オンラインショッピングでは決済のみとなり、チケットの発送はございません。 イベント当日にお渡しします。
問い合わせ先: info@wrl.co.jp


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ライツ社
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