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レモンを育てる|平屋私庭日記#6

秋も一段と深まって各地で紅葉が始まってますね。先日芦屋のパイ専門店カルロで購入したアップルパイを頬張ってる時に僕はふと秋を感じました。どこから秋がやってくるか分からないものですね!しかし美味しかったなぁ。

毎日庭先で植物に触れているからって紅葉や季節感を感じれるわけではないのかもしれないなって、若手庭師5年目にして分かってきた。バタバタしてたり気持ちが走ってたりすると秋は現れてくれない。ふと手足を休めた瞬間やしっかりその時間を楽しめている時に秋は訪れるみたいだ。

レモンの経過

この庭のテーマはエディブルガーデン(食べられる、収穫できる植物)で構成しています。僕はエディブルの植物って考えると最初に出てくるくらいレモンの印象が強め。街中で鉢植え・地植えどちらもよく見かけるし枯れる話もそうそう耳に入ってこないように思う。しかも黄色い実がなれば庭を鮮やかにしてくれるだろうなって!

今回はその中山家レモンのお話。 

4月27日 4月初旬に木々を植えてから早々にレモンの蕾が膨らみ花が咲き始めた。蕾はピンクと赤の間のような色だけれど、花びらは真っ白!庭はつくりたてだしキレイな花が咲き始めるしで、いつもより1時間早く起きて庭の植物を観察したり水遣りしたりしていたなぁ。

レモンの花を縁側から眺めていると、この庭には虫がやって来ていないことに気がついた。鳥もこないし蚊すら飛んでいる気配がない。どうやら庭の存在にまだ気づかれていないみたい。

ということは自然界任せの受粉は無いのでは!?と心配になって来た。

人工授粉に挑戦

5月9日 慌ててグーグルさんや関係各所に聞いたり調べてみたりしてみた。その結果、人工授粉という作業をやってみることに!

本来は虫たちがやってくれる雄しべと雌しべを受粉させる行為を人為的に行うことを人工授粉という。綿棒や耳かきの反対側についているフワフワした部分で雄しべ雌しべを交互に突いて接触させていきます。

しかし、本当に効果があるのかは分からないところ。(虫が入ってこない完璧な室内環境ではないし、僕が見ていない夜な夜なに虫たちが来てるかもしれない。他にも方法や可能性はあるかもだし。。)

虫の出入りの可能性が低いハウス栽培で果樹を育ててる農家さんなどではこうやって人工授粉をされているそう。

5月27日 花びらが散り始めていよいよ結実したかどうか結果が分かる頃、ついにこの庭にもアゲハ蝶の幼虫の姿が!しかもデカイ!

カワイイけれど葉っぱを食べられすぎるのは困るので虫カゴで蝶になるまで飼ってみようか、と思ってたら翌日には姿がなかった。この後、何度も幼虫は見かけたけれどサナギになった様子を発見できず。もしかすると鳥たちにやられていたのかもしれないなぁ。

庭をつくってからは日記をつけるようになった。日記なんて高校時代の陸上競技日記ぶり。

6月1日 受粉成功!実が大量に!!

この結実を100%人工授粉で成功したと言えないのが自然の難しいところ。生き物だしどれもこれも可能性であって決まりではないと思う。言い切るほど説得力が弱く聞こえてくるのが難しいですね。
でも人工授粉の効果はあったのではと思いました。

しかし、順調に思えたレモン栽培なんですが、ここで事件が発生します。

レモンの実大量落下事件

7月1日 実が少しずつ膨らんで来たところで実が大量に落ちてる事件勃発!風や体が当たって落ちてしまったのか!?無理やり結実させたから!?んーんショック!!

調べてみるとまだ幼い頃は木の成長にエネルギーを使うそうで、結実しても熟成させていく力がなく落果してしまうとか。まぁ花を咲かせたり実をならせるのは子孫を残すためなんだから、まだまだ幼い木がその気にならないのも納得できる。

でもいつまでが幼い木なのか?本当に幼い木だからなりにくいのか?
枝葉を伸ばし成長にエネルギーを使うなら、人為的に枝葉の成長に力を使わせないように剪定・水遣り・肥料をしっかり行えば成長しなくたってこのままの環境で大丈夫と思うのでは?幼いなんて関係なく肥料や水遣りが問題だったりしないのかな!?

調べた文献や聞いた話だけが全てでは無いのが植物の世界。(地域性や環境によって育ちは全然違う)だから実践あるのみなんだけれど!

アゲハ蝶との戦い

9月23日 毎回アゲハ蝶の幼虫とレモンの葉死守のための攻防戦を続けていると、新芽が吹き出す頃にアゲハ蝶が卵を葉に付けにやってくることがわかってきた。 

2〜3個どころじゃなく、そこら中につけていくからものすごい量になる。しかも分かりにくい!

10月14日 とにかく週末はアゲハ蝶がつけていった卵取り。不思議なもので卵は地面に落とせば幼虫は見かけなくなる。孵化しないのか孵化して食べるものが近くにないから成長できないのかは分からないなぁ。

11月25日 こうして攻防戦を繰り広げてる最中にも、実はこんなに大きくなってきている!レモンの収穫まではもう少しだな。

庭とともに実際に暮らしてみると、思っていた以上に植物たちは手間がかかる。
僕たち庭師は庭のお手入れに入らせて頂き、樹木たちの調子を見て剪定や掃除だったり微調整から伐採までたくさんの作業を経てその空間を整えていく。けれどそれはお施主さんの日々お手入れのたまものであって、僕たちはそのちょっとした手助けをしているだけなのかもしれない。

日々のお手入れと庭師としてのお手入れ、このMIXがあるから庭は美しく元気に成長していけるのでは。

分かっていたようで心の底なら分かっていなかったところ。実際にどちらも体験してるからこそ身にしみて理解できるようになって来たと思う。そして庭師としてとても大切な部分を知ることができているのかもしれないな。

定点写真#6 中山家の庭はだんだん落葉し始めてきたなと思っていたけれど、サクランボの木たちの葉っぱはまだまだ落葉する気配がない。やはり建物に囲まれた庭だから他よりも少し暖かいのかもしれないなぁ。そろそろ落葉してくれて季節感を楽しみたいなぁ。

GREEN SPACE HP

instagram @greenspace_nakayama

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ライツ社の周りにいる、普段は作家でもなんでもない(でもとてもおもしろいことをしている)みなさんの記事を連載。 2018年12月現在の連載タイトル ・「世界のお菓子(食)を巡る旅」菅野つばさ ・「平屋私庭日記」大阪の若手庭師 中山智憲
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