タジン鍋でつくるモロッコのオムレツ|世界のお菓子(食)を巡る旅#12
モロッコで食べた、わたしのお気に入り料理。
「ベルベルオムレツ」。
いつだっただろうか?
何かの料理番組で紹介されたのをきっかけに、日本でもブームになった、モロッコのタジン鍋。円錐形の独特な形のおかげで、中の蒸気や熱がうまく回り、いわゆる「無水調理」ができる。蒸し料理や蒸し焼きには最適とされている鍋だ。もしかしたらこれを読んでくださっている方の中にも、キッチンの棚の奥底で眠らせている方もいるかもしれない。
そう、今日のお話はこのタジン鍋で作るベルベルオムレツ。
日本を出てから約3日の移動を経てやって来た、メルズーガという町。最初の宿はサハラ砂漠の目の前だった。ここで朝食をお願いしたら出てきたのが、ベルベルオムレツだった。(ベルベルとは北アフリカの先住民であるベルベル人のこと)
ここで食べたオムレツが絶品で、そこからモロッコ料理の中で一番のお気に入りになった。
材料はいたってシンプルで、玉ねぎ、トマト、卵が基本。ここに、にんにく、塩胡椒、スパイスやコリアンダーで調味する。味の決めてはクミンパウダーで、このスパイスがモロッコらしさを出す重要な役目を果たすみたい。土鍋でも作れるので、休日の朝や夜のおつまみに、日本の家庭でもぜひ作ってもらいたい。お家で手軽にモロッコを感じられる一皿です。簡単なレシピを載せておきますね。
(材料)
・玉ねぎ…小半分
・トマト…大1個(またはミニトマト10個)
・卵…Lサイズ2個
・にんにく…1かけ
・クミンパウダー…小さじ1
・(あれば)パプリカパウダー…小さじ1
・コリアンダー…適量(苦手な方はパセリでも可)
・オリーブオイル…適量
(作り方)
1.にんにく、玉ねぎをみじん切りにして、オリーブオイルで炒める。
2.ざく切りしたトマトを加え、スパイス、塩胡椒を振り、蓋をして火にかけておく。
3.その間に卵を溶き、刻んだコリアンダーと軽く合わせる。トマトの水分が少し煮詰まったところへ卵液を流し込んで軽く混ぜ、蓋をして2〜3分で完成。
もっとボリュームが欲しい人は、細かく刻んだじゃがいもやピーマン、オリーブなどを入れても美味しい。卵を溶かずに、そのまま煮詰めたトマトソースの上に割り入れ、食べるときに崩しながら食べても◎。
そしてモロッコと言えば欠かせないのが、甘〜いミントティー。どこに行っても必ずと行っていいほど出てくる国民的な飲み物だ。
お湯を沸かし、ポットに茶葉(中国産の緑茶が主流)、フレッシュのミントとすんご〜い量のお砂糖を入れ、高い位置からお湯を注ぐ。茶葉が開いたらカップに注ぎ、それを再びポットに戻して高い位置から注ぎ入れていただくのがモロッコ流。
最初は甘すぎて少し抵抗があるのだれど、飲むにつれてやみつきになり、帰る頃には恋しくさえなった。
そしてこの記事を書いている今は、モロッコが恋しい。
旅人の中で「世界三大うざい国」とあげられるモロッコ(ほか2つはインドとエジプト)だけれど、人懐っこさと、美味しいごはん、可愛い雑貨、美しいサハラ砂漠。
おすすめしたい国の一つだ。