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たった2人からのスタート。初開催の学生フリーペーパーの祭典『SFA 2023』を応援したいと思ったので

先日、ライツ社にこんなメールが届きました。

初めてご連絡させていただきます。
Student Freepaper Awards実行委員会の〇〇と申します。
この度は、私たちが企画しているイベント、Student Freepaper Awards 2023にご協賛いただきたくご連絡申し上げました。
(中略)
SFA2023は、8月20日に東京都現代美術館で開催いたします。当日の内容は、舞台と客席を設置して行なう審査結果の発表と講評・トークセッションや、各団体ごとにブースを設置して行なう学生同士での制作物や意見の交換会を予定しております。
審査員の方々からの意見や他団体との交流を通して、学生たちの今後の制作活動をよりよいものにしていくことを目的としています。
現段階で、29の学生団体の参加が確定しており、多様なテーマのフリーペーパーが集まっております。社会に訴えたいことを特集したもの、学生生活に役立つことを特集したもの、地域の魅力を特集したものなどがあります。
(以下略)

おもしろそう!と思い調べてみると、支援のクラウドファンディングが今週末8/6(日)の締め切りで、まだ達成していません。

営業のご連絡ではありましたが、力になれないかと思い取材を申し込むことにしました。

結果、代表の諸橋さんの話をきいてめっちゃ応援したくなりました。

この記事を読んで応援したくなったらぜひクラウドファンディングのご支援をお願いします。

好きなことができるのが魅力

ー:諸橋さん自身が感じている学生フリーペーパーのおもしろさってどんなところですか?

諸橋さん:ぼく自身もサークルに所属して3年間フリーペーパーを作ってきました。そこで、自分のサークルのバックナンバーを読んだことはあったんですが、ほかの団体のフリーペーパーを開くと、テーマにしているポイントも作り方も、まったく違うことに驚きました。

本の形は大体同じなのに中身がまったく違うんですね。なかには「なんでこれを作ったんだろう」と考えさせられるものまで。

フリーペーパーは流通にはのらないため、好きなことができるというのが魅力だと思います。良くも悪くもまったく他者の方を向かずに制作できる、その自由さがおもしろさだと思います。

全国各地、多彩なフリーペーパー

ー:29の学生団体が参加するそうですが、たとえばどこのどんなフリーペーパーがあるんですか?

諸橋さん:神戸大学や関西大学、同志社大学など関西からも多くの団体が参加しますし、北は北海道の東海大学 札幌キャンパス、南は香川大学からも参加してくれます。全体的に関東と関西の大学サークルが多いですね。

ー:たくさんありますね。たとえばこれはどんなフリーペーパーですか?

作品名:『seel』vol.43
団体より:「ダサい=個性だ!」 カッコ悪い・ダサいというのは悪いことなのか。私達は考える。ダサとは強烈な個性、そのものにしか出せない味なのだ!ひねくれた視点からあなたに新しい価値観をもたらす、Seel編集部ならではの一冊。

諸橋さん:このSeel編集部さんは関東の中ではかなり有名な団体です。いつもかっこいいフリーペーパーを作っているなという印象だったんですが、今回アワードに出展されたのが「ダサ」というテーマで、こうきたかと思っています。

ー:そうなんだ。ほかにもおもしろかったものってありますか?

諸橋さん:ぼくが1番印象に残っているのはこれですね。

作品名:『BACKPACKER』21号
団体より:BACKPACKERは、「開いたら、そこは、旅。」「旅を通して国際問題を知る」をコンセプトとした、旅に出たくなるフリーマガジンです。誌面の企画から文章、写真、レイアウトまですべて学生のみの手で一つ一つ丁寧に作り上げています。

諸橋さん:かなりかっちりとした紙面作りをされていて、じっくり読める「旅に出たくなる本」でした。旅先を紹介する雑誌が多い中で、旅先で感じたことを集めた紀行文のような作り方をしていて、読んで心を動かされました。

ー:いいですね。

諸橋さん:この『F.W.A.』もすごいなと思って。

作品名:『F.W.A.』Vol.41
団体より:『F.W.A.』は、青学マスコミ研究会が制作する、大学唯一の公認フリーペーパーです。営業から取材、編集まで全てを青学生が行っています。最新号Vol.41では「Treaseure」をテーマに、インタビューや様々なジャンルの特集等を掲載しています。

ー:これですか?

諸橋さん:表紙にこんな大物芸能人の写真を使えるんだと思って。大河ドラマに出演されている俳優さんです。こんな方に取材できるんだって驚きでしたね。さすがだと思います。

コロナでなくなってしまった交流の場

ー:日本最大級の規模で、審査員の方々もプロの方ばかりですごいと思ったんですが、ここまでやるのはどんな思いからなんですか?

諸橋さん:それは、まずは設立の経緯からお話しますね。

ー:はい。

諸橋さん:ぼく自身が大学3年間でフリーペーパーを作っていたんですね。それで、もっとおもしろいものをつくりたい、いままでのバックナンバーよりおもしろいものを作りたいと思ってやってきたんです。

それで3年間でなかなかいいものができたんですが、それって自己満足でしかないんじゃないか、なにか客観的な視点や指針になるようなものがあればなと思っていました。

実はこのアワードが生まれる3年前まで、SFF(STUDENT FREEPAPER FORUM)というイベントが開催されていたんです。

それがコロナでなくなってしまったんですね。運営母体だった企業さんがなくなってしまって、復活も難しそうで。それなら自分で作るしかないということではじめました。

ー:そうだったんですね、すごい。

諸橋さん:それが今年の1月のことで、最初はサークルの後輩と2人ではじめたんですが、日にちだけ8月20日って決めちゃったのでそこから逆算して進めていきました。

ほんとうは自分がつくったフリーペーパーもだしたい

諸橋さん:ぼく自身がフリーペーパーを作る側の人としてやってきていて、「こんなイベントがあったらいいのに」という思いで準備をしてきたので、多分ぼくが1番楽しみにしています。

ー:なるほど(笑)

諸橋さん:なので、審査員のみなさんから講評をもらえるのもすごい羨ましいし、ほんとうはぼくがつくったフリーペーパーもだしたいくらいです。

ー:たとえば、その行動力があれば、自分の作ったフリーペーパーだけ持ち込んで、意見をもらうこともできたはず。そうではなくて、アワードを作ったのはどういう思いですか?

諸橋さん:そうですね、SFFがあった時代の話を聞いていると、年に1度、ほかの団体とフリーペーパーを交換して集め合ったりだとか、フリーペーパーに関する情報交換をやっていたみたいなんですね。団体同士の交流も少なからずあったみたいで。

ぼく自身もほかのフリーペーパーを読んで、「これ聞いてみたいな」と思うこともあったんです。なので当日は「これどうやってやったの?」「この取材どうやって組んだの?」だとか情報交換できる場が作れたらと思っています。そういった場があることって大事なことだと思うし、今後も年に1度、継続して開催していければと思っています。

もう1つは「権威付け」ですね。各団体が広告の営業する際、「SFFで入賞しました」という事実がどうやらけっこう役立っていたようなんです。そうした各団体の活動を応援する意味合いも大きいです。フリーペーパーは売上で評価できない以上、そういった権威性のある大会として運営していきたいと思っています。

ー:やっぱり諸橋さんが自分でやってきたからわかるというか、必要なことなんですね。お話ありがとうございました。

諸橋さん:ありがとうございました!


もう1度お伝えしますが、支援のクラウドファンディングは今週末8/6(日)までです。応援したいなと思った方はぜひ以下のページからお願いします。

SFAの公式サイトはこちら。


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