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#私たちは考えるのをやめてはいけない フェア
世の中って複雑です。わからないことだらけです。しかし、わたしたちの生活が大きく変わり、先の見えない今だからこそ、思考停止せずに学びつづけることを提案してくれている書店があります。
そんな今を象徴する「#私たちは考えるのをやめてはいけない」フェアが、広島県広島市の「紀伊國屋書店広島店」、鳥取県米子市の「本の学校 今井ブックセンター」で開催中です。
紀伊國屋書店広島店
#私たちは考えるのをやめてはいけない フェアに富永京子さん『みんなの「わがまま」入門』(左右社)が仲間入り!東京の中学入試問題にも出題され話題になりました。
— 紀伊國屋書店広島店 (@KIno_Hiroshima) June 19, 2020
そもそもわがままってナニ?社会運動はわがままなの!?
現代社会に見え隠れする"自己責任論"にするどいメスを入れた良書です!
I.M. pic.twitter.com/Gj0oi5aOzH
本の学校 今井ブックセンター
紀伊國屋書店広島店さん @KIno_Hiroshima で実施されている#私たちは考えるのをやめてはいけない フェアを、当店でも始めました。
— 本の学校 今井ブックセンター (今井書店) (@imaibc) April 23, 2020
日々の暮らしにも不安を感じてしまうこんな時だからこそ、ともに学び続けたいと思います。 pic.twitter.com/RNRmdGMMPD
複雑な現代をわかりやすく
政治や経済について書かれた本もあれば、差別問題、働き方・生き方の本、見ていると今の日本の様子を俯瞰しているようです。
どんな思いでフェアを企画したのか、紀伊國屋書店広島店の池田さんにお話を伺いました。
きっかけは『遅いインターネット』という宇野常寛さんの本です。これを読んで思うところがあり、この本を主体においてフェアを組もうと思いました。
もともと私は政治学とか経済とか民主主義の作り方みたいな本が好きで、社会評論系をよく読むのですが、現代ってすごく複雑ですよね。政治や経済、そのほかいろんなものが絡み合っていて、多分、誰も整理できていないと思うんです。そこをすごく丁寧に突き詰めて、分かりやすく書かれていたのが理由です。
このフェアのきっかけは、宇野常寛さん「#遅いインターネット」(幻冬舎)です。根底には、常にこの本があります。
— 紀伊國屋書店広島店 (@KIno_Hiroshima) April 15, 2020
いま「私たちの国で起きていること」。「濃霧の中の方向感覚」が問われています。
「歴史が終わるまえに」、「民主主義を直感するために」、「転げ落ちない社会」へ。 pic.twitter.com/BAApZCkSm2
情報に惑わされず、自分の頭で地べたを歩くために
政治や経済への不安が高まっていますが、一人ひとりが考えることが大事では、とおっしゃっていました。
今の政権がこうなっているのも、ちゃんと選挙にいかなかったり。政治って日常の延長線上にあるものだと思っているので、特に若い人たちが立ち止まって本を読んでくれると嬉しいなと思っています。
実はフェアを初めてすぐに新型コロナウイルスが広まってしまって……。本当は棚の前に椅子をポツンと置いておきたかったんです。
引き続き、人文書フェア台にてフェアを行っています。
— 紀伊國屋書店広島店 (@KIno_Hiroshima) May 20, 2020
新型コロナ、オリンピック、検察庁法改正…この1ヵ月だけでも、多くの出来事・報道がありました。
情報に惑わされず、自分の頭で地べたを歩くために。#私たちは考えるのをやめてはいけない フェア、ご来店の際にはぜひご覧ください。
I.M. https://t.co/jIEsuvCuXb
自分たちが何かできることをしたい
また、チェーンの垣根を超えてフェアに参加した本の学校 今井ブックセンターのご担当者にも連絡を取り、フェアを始めたきっかけをお聞きしました。
Twitterで拝見した、紀伊國屋書店広島店さんのフェアのコンセプトに共感したためです。そのとき、紀伊國屋書店広島店さんは緊急事態宣言を受けて、休業されていました。休業している書店が多い中で、営業を続けている書店のひとつとして、自分たちが何かできることをしたいと考えました。
また、ハッシュタグ「♯私たちは考えるのをやめてはいけない」をつけたので、この記事をきっかけに、ほかの書店さんでも同様のフェアが広がればいいなと思っています。
紀伊國屋書店広島店さん @KIno_Hiroshima で実施されている#私たちは考えるのをやめてはいけない フェアを、当店でも始めました。
— 本の学校 今井ブックセンター (今井書店) (@imaibc) April 23, 2020
日々の暮らしにも不安を感じてしまうこんな時だからこそ、ともに学び続けたいと思います。 pic.twitter.com/RNRmdGMMPD
ジャンルにとらわれないセレクトを
紀伊國屋書店広島店からさらにジャンルの輪を広げて展開されています。
フェミニズム・労働・貧困・福祉・民族差別と、様々な課題を学ぶために、専門的な人文書だけではなくエッセイやコミック・小説まで、選書自体にも多様性を持たせました。
自分なりに考えるために
本の学校 今井ブックセンターの方はご連絡した際、こんなこともおっしゃっていました。
緊急事態宣言を受け、自宅で過ごす時間が長くなったことで、社会や政治について考える人が増えたように思います。
ただ、情報を得る手段がテレビやインターネットだけだと、その場の雰囲気に流されてしまうことも多いです。視野を広げ、自分なりに考えるために、本を読んでほしいと思います。そして、できれば地元の本屋さんで買ってほしいな……。
最後に
紀伊國屋書店広島店の池田さんからこんな言葉をいただきました。
書店のフェアは、一つのメディアだと思っています。ヘイト本が「売れるから」という理由でどんと積まれる昨今、このフェアはそういった出版・書店業界への反発心のようなものでもあります。
業界に携わるはしくれとして、出版の影響力をもっと良い方向に向けていきたい。
そしてこのフェアで、社会評論などを普段読まない人が一人でも立ち止まってくれたなら…
それが何か「考える」ことのきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。これからの時代を切り開いていく若い読者を育てることは、書店の義務だと思っています。
この記事もひとつの考えるきっかけになれば幸いです。
明るい出版業界紙 on note(β)では出版業界の明るいニュースを届けています。
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